「甚だしい」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「甚だしい(はなはだしい)」は普通ではない、並はずれてすごいという意味で使われています。最近は悪い意味合いで使われることが多いですね。今回は「甚だしい」の意味や使い方、例文などをご紹介します。類義語や語源も合わせて説明します。

目次

  1. 「甚だしい」の意味
  2. 「甚だしい」の語源
  3. 「甚だしい」の使い方
  4. 「甚だしい」の類義語

「甚だしい」の意味

「甚だしい(はなはだしい)」は普通をはるかに超えているという意味です。それも悪い方向に。太っていること甚だしいとか甚だしい悲劇なんて使われますね。「やばい」や「まずい」と同じような意味です。

「甚だしい」の語源

「甚だしい」に使われる「甚」という漢字。語源には複数の説があります。どれも興味深いのですが、ここでは特に有名な2つの説のみを紹介します。

食欲

「甚」という字の語源として考えられているのが、かまど。火を焚いて、その上に鍋などをおく調理施設です。「甚」の下部が炎を、上部が鍋と食べ物を表しているそうです。つまり、「甚」は元々食べ物や食欲を表していたということですね。

今と違って昔は食べ物が簡単に手に入るわけではありません。食べ物をいい加減に扱うことや食べ過ぎることははるかにもったいないことだったのでしょう。となれば食欲が強すぎることはまさに害悪「甚だしい」ことですね。

食欲+情欲

「甚」という字は「甘い」と「匹」に分けられますよね。この2つがそれぞれ食欲と情欲を表しているという説もあります。この場合、食欲と情欲が欲望の代表例で、それが過剰なことが「甚だしい」ということになります。

「甚だしい」の使い方

「甚だしい」は普通をはるかに超える、とてもすごいといった意味です。昔は良い悪いを問わず使われていたのですが、最近はもっぱら悪いことにだけ使われています。誤用を避けたいなら悪いことにだけ使う方が良いでしょう。

よく、「甚だしい」は「とても」や「非常に」と同じような言葉と説明されることもあります。しかし形容詞ですので、そのまま置き換えて使うことはできません。その場合には副詞形の「甚だ」を使いましょう。「甚だしい」は「大きい」や「悪い」と同じように名詞とセットで使うことが多いです。

また「甚だしい」は、あくまでも質の問題についてだけ使います。数量のことには使えません。数量を表現する場合は「夥しい(おびただしい)」などの類義語を使いましょう。

「甚だしい」の例文

  • 「自分一人の実力でここまでこれたと思っているのか?勘違いも甚だしい。」
  • 自分の身を犠牲にして頑張ってきたが、ついに報われることはなかった。自分の身と金だけが大事だという上司の言葉に甚だしく失望した。
  • まさか長い間重鎮として後輩の指導や厄介な仕事を処理していた彼が離脱するとは。甚だしい損失だ。
  • 「彼は優秀な人材だった。君が使いこなせなかったことは甚だ以って遺憾に思うよ。」
  • 「人が減っても仕事の総量が変わらないとは、甚だ厄介だな。」

「甚だしい」の類義語

夥しい

「夥しい(おびただしい)」も「甚だしい」と同じく程度が異常なこと、ものすごいことを表します。良いことに使われる場合もありますが、どちらかといえば悪いことに対して使われます。この点でも「甚だしい」と似ていますね。

「甚だしい」と「夥しい」の大きな違い、それは量と質のどちらを表すかです。「甚だしい」は程度や質が悪いという意味です。上記の例文でも失望や勘違いなど数えられないものに使っていました。

それに対し、「夥しい」は数えられるものに対して使います。漢字を見ると「多い」という字が使われていますよね。多かったら好ましくないものには「夥しい」がより適切です。例えば、事件や犠牲者などです。

頗る

「頗る(すこぶる)」は程度が普通ではないという意味の副詞です。副詞ですので「非常に」や「とても」と入れ替えても大丈夫です。「甚だしい」由来の副詞「甚だ」とも同じように使えます。「とても」などと比べても固い表現なので日常会話で使う機会はあまりないでしょう。

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