「またまたご冗談を」とは
本当のことだと容易には信じられない物事を見聞きしたとき、あるいは、ものすごく褒められたときなどの返答として用いられるのが「またまたご冗談を」です。
「冗談」の意味
「冗談」とは、①「ふざけた内容の話・遊びとして言うこと」、②「戯れ<たわむれ>・悪戯(いたずら)」という意味です。
①は「彼とは冗談を言い合える仲だ」、②は「彼女の大事なものを隠すなんて冗談が過ぎる」のように用いられます。「またまたご冗談を」では①の意味で用いられています。
「またまたご冗談を」の使い方
「ホントに!?」「嘘でしょ!?」という驚きや、褒められた際の「口が巧いんだからぁ」という照れ隠しなどを少しお上品に言うときに使います。
【例文】
- 「この前引っ越した部屋に幽霊が出たんだ…」「またまたご冗談を」
- 「実は人気女優のAさんとは十年来の友達なんだよ」「またまたご冗談を」
- 「この煮物、美味しいよ。料理の天才だね!」「またまたご冗談を」
「またまたご冗談を」の元ネタ
「またまたご冗談を」は、『プリンセスチュチュ』の登場キャラクタ「猫先生」のアスキーアート(AA)に書き添えられたセリフが元ネタとなってネットユーザの間で広まりました。
ただし、これは作中で使われたセリフではありません。ネット上で生まれた創作ネタと言うことですね。
『プリンセスチュチュ』
『プリンセスチュチュ』はバレエを題材としたテレビアニメ作品で、2002~2003年に放送されました。
バレエ科の落ちこぼれの少女「あひる」が心を失ってしまった憧れの先輩「みゅうと」のために、「プリンセスチュチュ」に変身して心の欠片をひとつずつ取り戻していくお話です。
「猫先生」とは
『プリンセスチュチュ』に登場する「猫先生」は、バレエ科の担任の先生で、文字通りに猫の姿をしています。作中ではギャグ担当キャラクタとなっていますが、バレエに対して厳しい、生徒をさりげなく励ますなど、優れた教師の一面も持ち合わせています。
「冗談」の類語
「戯け」
「戯け」は<おどけ>または<たわけ>と読みます。<おどけ>と読むときは「滑稽な言動・洒落」という意味、<たわけ>と読む場合は「ふざけた言動」や「馬鹿者・愚か者」という意味です。
少し乱暴な言い方にはなりますが「たわけたこと言うな」などは、「またまたご冗談を」に近いフレーズでしょう。
「諧謔」
「諧謔」<かいぎゃく>とは、「滑稽み、おかしみのある言葉・ユーモア」という意味です。多くの場合、「諧謔を弄する」などの言い回しで用いられます。
「諧謔」は口語ではないので、「またまたご冗談を」のように話し言葉として用いる機会はほとんどありません。
「ギャグ」
「ギャグ」(gag)は「演劇や映画の中で、観客を笑わせるために挿入される本筋と関係ないセリフや動作」、あるいは「洒落・冗談」という意味です。後者は「冗談」と同義と言えます。
「どうせギャグなんでしょ?」「またギャグばかり言って…」などの言い回しは、「またまたご冗談を」と同じように用いることができますね。
「巫山戯」
「巫山戯」<ふざけ>とは動詞「巫山戯る」の名詞形で、さまざまな意味があります。「冗談」に近いのは「おどけること」や「誰かをばかにすること」という意味です。
「御巫山戯はやめなさい」「巫山戯たこというなよ」などの言い回しは、「またまたご冗談を」とほぼ同じように使うことができるでしょう。
「やんちゃ」
「やんちゃ」とは、「子供が大人の言うことを聞かず、わがままやいたずらをすること」や「若者の素行がよろしくないこと」という意味です。冗談の②の意味「戯れ・悪戯」に似ています。