「見守る」の類語とは?意味や使い方を含めてご紹介

子供の成長を「見守る」、一人暮らしのお年寄りを「見守る」など、「見守る」という言葉はいろいろなところで使われます。また「見守る」の類語もいろいろなものがあります。この記事では、「見守る」について、類語とともに意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「見守る」とは
  2. 「見守る」の使い方
  3. 「見守る」の類語とは

「見守る」とは

「見守る」には、以下の二通りの意味があります。

  1. 間違いや事故がないように注意してみる。事の成り行きを注視する。
  2. 目をそらさないでじっと見る。注意深く見る。

どちらの意味にも、「近く、あるいは遠く(目に見えない遠方も含んで)から様子や経過に注意を払っている」ことを表しています。「注意を払う」ことが主たることなので、特に行動することは含まれていません。

また、「見守る」には、相手に対する「心配」や「気づかい」といった温かい気持ちが含まれていることも特徴です。

「見守る」の使い方

1の意味での使い方

1の意味では、ある程度の時間をかけて対象に注意を払っている場合に使います。

【例文】

  • 祖父母は、息子たちの育児方法に疑問を持っていたが、口出しすることなく静かに孫の成長を見守っていた。
  • 第一線から身を引いた創業者のA氏は、自分の起こした会社の動向を見守っていくことにした。
  • 困難な手術を終えた医師は、患者の術後経過を24時間体制で見守るよう看護師に指示した。

2の意味での使い方

2の意味では、目の前で起こった出来事をじっと見ているようなときに使われます。

【例文】

  • 繁華街を歩いていた人々は、街灯の大型スクリーンに映し出された火災現場の映像を固唾(かたず)をのんで見守っていた。
  • 土俵で横綱同士ががっぷり四つに組んだ勝敗の行方を、観客が息を止めてじっと見守る館内は緊張感に包まれていた。
  • 恋人を駅まで送った彼は、彼女がホームに上がって見えなくなるまで見守っていた。

「見守る」の類語とは

「監視する」

「監視(かんし)する」は、「見張る」ことです。犯罪防止や交通状況の監視、自然現象(河川の氾濫、地震、台風など)の監視などこの世の中には「監視する(監視される)」ことが多くあります。

「見守る」という言葉の持つ温かみは感じませんが、人間社会には必要な行為の一つでしょう。

【例文】

  • 重要参考人のBは、警察の監視下に置かれていた。
  • あおり運転を監視するために高速道路のパトロールを強化した。
  • 河川の氾濫に備えて、カメラの設置台数を増やして要所要所で常時監視するようになった。

「注視する」

注視する」とは、「注意をもってじっと見ること。関心を持ってしっかり見ること」を意味します。主に、目の前の状況に対して注意して、じっと様子を見る場合に使われます。

「見守る」よりも「見る」行為そのものに重点が置かれていますが、「しっかり見る」という点で「見守る」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • スクランブル交差点の歩行者の動きに注視していると、自然に人の流れが生じている様子がよくわかる。
  • 突然、彼に向って大声を上げた彼女は、周りの席の客たちが自分たちを注視していることに気づき、恥ずかしくて俯(うつむ)いてしまった。
  • ストーカーが通りの向こうから彼女の動静を注視していた。

「様子を見る」

様子を見る」とは、「ものごとの成り行きを見守ること。何か動きがあるまで静観して見守ること」です。見守っている対象に変化がないときは、「様子を見る」状態が継続し、変化が生じたときや変化がなく安定した場合には「様子を見る」行為は終了することになります。

「様子を見る」にも、「見守る」の持つのと同じような温かみがあり、対象に変化があった時には何らかの行動に出るという含みがある言葉です。

【例文】

  • 世界的な感染症の拡散で経済も政治も停滞しているが、当分の間は様子を見るしかないようだ。
  • 子供が37.5度の熱を出したが、元気なのでしばらく様子を見ることにした。
  • 夫の言動に妻が感情的になって離婚を言い出したが、二人の両親はしばらく様子を見ることにしようと話し合った。

「用心する」

「用心する」とは、「困ったことが起こらないようにあらかじめ注意すること。心を配ること」です。「見守る」のような注意の払い方ではありませんが、将来の困りごとなどに対して注意を払うという点では類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 季節の変わり目は体調を崩すことが多いので、用心するように田舎の両親に電話を掛けた。
  • 子供を狙った犯罪が多発しているので、十分に用心するよう学校から注意書きのプリントが配られた。
  • 一人暮らしの高齢者宅の火元や安全に用心するため、消防団のメンバーが戸別訪問している。

「観察する」

「観察する」とは、「ものごとの状態や変化を注意深く見ること。注意深く見て物事を見極めること」です。「注意深く見る」という点で「観察する」も「見守る」の類語と言えるでしょう。

なお、自然科学の分野では「観察」は「実験」とともに重要な研究方法とされています。

【例文】

  • 主治医は、しばらくこの薬を服用して経過を観察することにしようと父に説明した。
  • 学校内のいじめ問題に対し、教師たちは生徒たちの動向を観察することにした。
  • 絶滅危惧種の繁殖状況を観察するべく、動物学者を中心としたチームが結成された。


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