「現況」とは?意味や使い方をご紹介

「現況」という言葉の意味をご存じでしょうか。土地を売買したことのある方は、耳にしたことがあるかもしれませんね。「現況」は、世の中の様々な事柄の現在の状態をいう言葉です。この記事では、「現況」について、意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「現況」とは
  2. 「現況」の使い方
  3. 「現況」の類語

「現況」とは

「現況」とは、「現在の状況。現在のありさま」という意味で、「在の状」を縮めた言葉です。「状況」には、「さまざまに変化するその時の様子。情勢」という意味があり、社会や自然、あるいは物事や人の精神的な状態などを表すときに使われる言葉です。

「現況」の使い方

「現況」は、いろいろな場面で使われるので、その場面ごとの例を紹介します。

「社会での出来事など」での使い方

「現況」は、何か大きな事件や事故などがあったあと、社会の現在の状況を語るときに使われます。

【例文】

  • 台風被害から1年を経過した今月、被災地の現況を調査した。
  • 政権交代による政策転換が、国民生活にどのように影響を与えたのか現況を調べなければならない。
  • 捜索隊は、遭難者の捜索の現況を逐次伝えてきた。
  • この統計結果は、リーマンショックの影響を受けた各産業の現況を示しています。

「ビジネスや日常の物事」での使い方

ビジネスや日常においても、さまざまな具体的な物事や事柄について「現況」という言葉が用いられます。

【例文】

  • 開発予定地の現況を調査するために不動産鑑定士などの専門家チームが結成された。
  • 地球温暖化の影響を調査していた南極の研究者から現況報告があった。
  • 登記簿と現況が異なることがよくあるから、土地を買うときはちゃんと調査しないといけない。
  • 不況で小売業の業績が悪化してる中、大手百貨店が売上目標を現況の数字から大幅に下方修正した。

「人の精神的な面」での使い方

上記にあげたような例に比べると使用例は少ないのですが、精神や心に関する話題でも次のような使い方もされています。

【例文】

  • 同級生の死を目の当たりにして動揺する生徒たちの現況を踏まえて、スクールカウンセラーを派遣することになった。
  • 今度、わが社ではメンタルヘルスに問題を抱えている社員が多い現況にかんがみて、こころの相談室を設置した。
  • 心理療法士は、クライアントの現況だけでなく、その生い立ちや家族関係、交友関係など幅広く理解していなければならない。

「現況」の類語

「現状」

「現状(げんじょう)」も、「現況」と同じように「現在の状態。現在のありさま」という意味の言葉ですが、若干の違いがあります。それは、「状況」と「状態」の違いによるものです。

  • 状況:物事が移り変わる際の、その時々のありさま。
  • 状態:人が知覚できる物事における、その時点のありさま。

よって、「現況」(現在の状況)は客観的視点というニュアンスがあるのに対して、「現状」(現在の状態)には主観的な要素が入ることが分かりますね。

「現状打破」や「現状維持」というように、「現状」は人の働きかけによって状態を変化させる(変化させない)こと表すことが出来ます。しかし、「現況」はそのような使い方は出来ないのです。


【例文】
  • このまま新機軸の事業を展開せずに現状維持路線を進むと、他社に追い越されてしまう。
  • 捜査が暗礁に乗り上げている現状を打破するには、なにか強力な物証が必要だ。

「実情/実状」

実情/実状(じつじょう)」には、「実際のありよう。本当の事情。実態」という意味があります。 「現況」が、現在の「実情/実状」を表す言葉であるとも言える点で、この言葉も類語と言えます。

【例文】

  • 防災担当大臣が、被災地の実情を視察した。
  • 全国の観光地は、近年のインバウンド(訪日旅行)の影響で景気がよさそうに見えるが、実情はかなり危機的な状況にある。

「近況」

「近況」は、「最近の様子」という意味があります。主に個人の生活状況や周辺のことを、本人や近しい人から見た様子のことを言います。「現在」と「最近」という時間的な範囲の違いはありますが、「様子=状況」という点で類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 就職して実家から遠方に勤務する娘から近況を知らせる手紙が届いた。
  • 最近は、ほとんどの人たちが、SNSで近況を知らせあっている。
  • 同窓会で、互いの近況を報告しあった。


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