「草」の意味
「草」は、本来は植物(特に一年草)を指す言葉ですが、近年では「草生える」・「草」というような日本独自のインターネットスラングとして、SNSやオンラインゲーム、動画配信サイトなどで使われるようになりました。
「草生える」や「草」とは、スラングで「笑い」を表す言葉です。発言者や聴衆の笑いを表すのに使われる昔からの表現「(笑)」からインターネット上で派生していったとされるスラングの一つで、面白いと感じたときの笑い、嘲笑を含めた皮肉な笑いなどを意味しています。
「草」の使い方
「草」や「草生える」は、文章の最後につけて笑いを表すのに用いられることが多い表現です。しかし、派生元の「(笑)」から使い方も微妙に変わってきています。
【「(笑)」の例文】
「この間、上司がちぐはぐな靴下履いてた(笑)」
「(笑)」
(笑)は、もともと議事録などで使用されていた表現ということもあり、発言者や聴衆の笑い声、あるいは笑っている感情を示すのに用いられます。あはは、うふふというような笑い声を文章に書き起こす際にも、(笑)が使用されます。
しかし、「草」では、「草生える」の「生える」という動詞としての認識が強いため、「笑う」という動詞の代わりに使用する場合がほとんどです。また、笑っている感情を表すのには用いますが、笑い声そのものを表すのには使用されません。
【「草」の例文】
「この間、上司がちぐはぐな靴下履いてて草生えた」
「それは草」
「草」の由来
「草生える」や「草」は、上に示した通り、元々は「(笑)」から派生した言葉です。そもそも、「(笑)」は、第二次世界大戦以前から、議会や法廷などでの発言記録で「発言した人や聞いている人が笑った際の表現」として用いられてきたとされています。
しかし、インターネットやパソコン通信が普及してくると、インターネット掲示板やゲーム内での文章によるやりとりの中で、この「(笑)」の表現は様々に派生してきました。
- 「爆笑」を「(笑)」と同様に表した「(爆)」
- 「(笑)」の「わらい」を略した「藁(わら)」「ワラ」
- 「(笑)」をさらに略した「w」、その派生としてwを重ねた「www」など
- 「笑った」「笑える」という意味の「ワロタ(わろた)」
- 「ワロタ」から派生した「ワロス(わろす)」
「w」という表現は、海外ゲーム内では日本語が使えないことから、「(warai)」としていたところを略して「w」になったようです。
その後、2012年頃から「w」「www」が草のように見えるため、笑うことを「草生える」「草」などと表現するようになり、急速に広まっていきました。
「草」の派生語
「草生える」「草」にもさらにさまざまな派生があり、最近では「草」の次の新たなブームの兆しもあるようです。
【草不可避】
「草=笑うこと」を「不可避=避けられない」、つまり、どうしても笑ってしまう、笑わずにはいられないという表現です。
【大草原・大草原不可避】
「wwwwww」など、wをたくさん重ねていることを「草がたくさん生えている=大草原」と表現しています。「大草原不可避」は上の「草不可避」と同様、笑わずにはいられないという意味を表しています。
【森生える】
「草」「大草原」からさらに植物の密度が増し、森にグレードアップしています。おそらく「森」という「場所」に対して「生える」という独特の表現の仕方がウケたのだと思われます。
【竹・竹生える】
最近「草」から派生してブームの兆しをみせている表現です。「草」「森」と近い表現であり、日本人は古くから竹との関わりがあるため、受け入れられやすかったのだと考えられます。