「周旋」とは?意味や使い方をご紹介

「周旋(しゅうせん)」という言葉を聞いたことがありますか。最近では、ほとんど聞かれない言葉です。おそらく50代以上の方なら、聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。この記事では、「周旋」について、意味や使い方を例文とともに紹介します。

目次

  1. 「周旋」とは
  2. 「周旋」の意味・使い方:1.「仲立ちをする」
  3. 「周旋」の意味・使い方:2.「面倒を見る」
  4. 「周旋」の意味・使い方:3.「国際法上の交渉のとりもち」
  5. 「周旋」の意味・使い方:4.「周遊」
  6. 「周旋」それぞれの漢字の意味

「周旋」とは

周旋(しゅうせん)」には、大きく分けて以下のような意味があります。

  1. 仲立ちをする
  2. 面倒を見る
  3. (国際法における)紛争当事者国間の交渉のとりもちなど
  4. 周遊

次の項目からそれぞれの意味、使い方について詳しく見ていきましょう。ただし、「周旋」という言葉は、現在ではほとんど使われることがないため、例文などではピンとこないこともあるかもしれません。

「周旋」の意味・使い方:1.「仲立ちをする」

「仲立ちをする」という意味の「周旋」は、売買や雇用などの交渉事において、取引の関係者の間に立って、うまくまとめることを言います。「斡旋」(あっせん)や「仲介」と置き換えて考えると分かりやすいでしょう。

【例文】

  • 大学に合格して、都会へ出てきたとき下宿を周旋してくれた人はとても親切だった。
  • 大学を卒業しても折からの不況で就職が決まらなかったが、叔父さんの周旋で地元企業に就職できた。
  • 今回の取引がうまくいったのは、Aさんの周旋のおかげだ。

「周旋屋」は放送禁止用語

「周旋屋」は、周旋を職業とする人を指す言葉でした。しかし、現在では放送禁止用語に指定されており、「周旋業者」「土地斡旋業者」と言い替えられています。

「周旋」の意味・使い方:2.「面倒を見る」

「面倒をみる」という意味の「周旋」は、1の意味のように仲立ちをするのではなく、単に、世話をする・面倒をみるというものです。

【例文】

  • お見舞いに持っていくので、花を5000円分適当に周旋してもらえますか。
  • 魚屋さんに頼んで周旋してもらった鯛はとても活きがよかった。

「周旋」の意味・使い方:3.「国際法上の交渉のとりもち」

国際法は、主に国家(地域)間の関係を規律するものです。詳細は割愛しますが、「条約」「慣習国際法」「法の一般原則」が原則とされています。この国際法において、国と国(または地域)の間のもめ事を平和的に解決する手段の一つが「周旋」です。

具体的には、紛争当事者国同士での交渉による紛争解決が困難な場合に、第三国あるいはその国民が当事者国の交渉開始のために便宜をはかることを言います。

ただ、「周旋」は当事者国の直接交渉の開始を目的とするもので、紛争解決の具体的方法を勧告する「仲介」とは区別されています

【例文】
国際法に基づく周旋の例でよく取り上げられるのが、1905年にアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトが周旋・仲介し、日露戦争の終結が導かれた例だ。

「周旋」の意味・使い方:4.「周遊」

「周遊」という意味は、旅行などで観光地を巡るときに使われますね。「周旋」も、ぐるぐる回ること・巡り歩くことと意味で使われていました。

【例文】

  • 大学のゼミ旅行で北海道をあちこち周旋した。
  • 新婚旅行でヨーロッパ各国を周旋した。

「周旋」それぞれの漢字の意味

「周」は、「(音読み)シュウ、ス、(訓読み)まわ-り、めぐ-る、あまね-く」と読み、次のような意味があります。

  1. まわり:「周囲」「円周」など
  2. まわる。めぐる:「周航」「周遊」など
  3. あまねくゆきわたる。手ぬかりがない:「周知」「周到」など
  4. 中国古代の王朝名

一方、「旋」は、「(音読み)セン、(訓読み)めぐ-る」と読み、次のような意味を表す漢字です。
  1. めぐる。めぐらす。まわる:「旋回」「螺旋(らせん)」など
  2. かえる。もどる:「凱旋(がいせん)」
  3. なかをとりもつ:「周旋」「斡旋(あっせん)」など


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