「査定」とは
「査定」とは、物事を一定の基準に基づいて調査した上で、その金額・等級・合否などを決定することです。「税額を査定する」「勤務態度を査定する」「土地の価格を査定する」などのように使われます。
「査定」は、以下のそれぞれの漢字の意味のうち、主に「査=しらべる」と「定=定める」という意味を組み合わせています。
「査」の意味
「査」という漢字は、音読みで「サ」、訓読みで「しら-べる」と読み、「しらべる。考える。明らかにする」という意味があります。「査定」以外にも、検査・審査・捜査・調査などたくさんの熟語が挙げられます。
「定」の意味
「定」という漢字は、音読みで「テイ・ジョウ」、訓読みで「さだ-める、さだ-まる、さだ-か」と読み、以下のように多くの意味があります。
【「テイ」と読むとき】
- 物事を決めて変えない。さだめる。さだまる:定価・仮定・決定・推定・未定・予定など
- 一か所に落ち着いて動かない:定住・安定・固定など
- 決まり。さだめ:規定・定義・定理など
【「ジョウ」と読むとき】
- さだめる。さだまる:定石・勘定・評定など
- きっと。さだめて:必定など
- (仏教で)雑念を払い、精神を一つに集中させること:禅定・入定など
「査定」の使い方
- 営業成績が悪かったので、ボーナスの査定は厳しいものになるだろう。
- 彼は、日ごろの勤務態度が悪いので、人事評価の査定結果はかなり悪いらしい。
- 今の家と土地を売った代金でマンションを買おうと思ったが、不動産不況で査定価格が厳しいから、住み替えは難しいかもしれない。
- 光熱費の査定で、電力会社を変更したほうが節約になるとわかった。
- 不動産鑑定士にマンションの価格を査定してもらう。
「査定」の類語
「鑑定」
「鑑定(かんてい)」の「鑑」には、「見分ける」という意味があります。「鑑定」は、「その道の専門家が、鑑定対象の真贋(しんがん:本物と偽物)や良否を見分けて、その価値を判定する」という意味を持っています。
「調べて定める」という点で「査定」と似た言葉です。宝石や美術品の鑑定をする「鑑定人」が登場するテレビ番組や小説、ドラマもありますから、この言葉をご存じの方も多いでしょう。
【例文】
- 祖母から譲り受けた指輪を鑑定してもらった。
- 裁判所の鑑定で、提出された証拠が偽物だと判明した。
「見積(みつもり)」
「見積」とは、物を買ったり売ったりするときに、それにかかる費用や物の数量、届けるために必要な期間などをあらかじめ概算することです。
自動車を買うときや売るとき、引っ越しの会社を選ぶときなどは、金額の「見積」を出してもらい、それをもとに考えるという方も多いかもしれません。
【例文】
- 今度、リフォームしようと思って,A社とB社に見積を出してもらった。
- 今回の旅行費用は、初めの見積よりかなり増えてしまった。
「評価」
「評価」とは、「物の値段を決めたり、人や物事の善悪や美醜(びしゅう)などを考えて、その価値を決めることです。学校の成績や仕事の業績も「評価」の対象で、「査定」と似ています。
必ずしも「何かの基準と比べる」わけではない、というところが「査定」と異なる点と言えるでしょう。
【例文】
- 今期の営業成績が良かったので、高い人事評価が期待できる。
- ゴッホの絵は、彼の死後に高く評価され、現在、絵画市場では信じられないような高い金額で取引されている。
「品定め」
「品定め」とは、人や物の優劣や良し悪しなどを比べて批評し、その価値を判定することです。食品売り場で野菜や魚の鮮度を比べたり、人物の良し悪しを比べたりするときに使われる言葉です。価値を判定するという点で、「査定」と似た言葉です。
【例文】
- 盆栽展で、出品作品の品定めをした。
- その男性が娘の婿に相応しいかどうか、娘の両親は相手をじっくり品定めした。