「バビる」とは?
「バビる」という言葉は、お笑い芸人のナインティナインの岡村隆史さんが好んで使っていたそうです。「バビる」を検索すると『バビル二世』というアニメがヒットしますが、これは全く関係ありません。
「バビる」は、「非常にびっくりする」という意味で使われています。「バリバリ」と「ビビる」が合わさってできた言葉といわれていますので、各々の意味を次の項で説明しましょう。
「バリバリ」の意味
「バリバリ」にはいくつかの意味があります。ひとつは、物を破る・壊すときの音、煎餅などをを噛み砕くときの音などを表しています。「板をバリバリに割る」「飴をバリバリと噛む」のように使われる擬音語ですね。
また、ものがこわばっている様子や、勢いのある精力的な様子を表すこともあります。こちらは「干したタオルがバリバリに凍る」「彼女は結婚後もバリバリと働いた」のように用いる擬態語です。
「バビる」の場合の「バリバリ」は、勢いのある様子という意味です。「バビる」の「バリバリ」は「ビビる」を強調する働きをしています。
「ビビる」の意味
「ビビる」を辞書で引くと、はにかむ、または、尻込みする・気後れするなどの意味が記されています。しかし、現在、慣用的には、①(恐怖や緊張で)尻込みする・気後れする、そして、②驚く・びっくりすることを表すのに用いられています。
①は「ビビって吊橋の下を覗けなかった」、②は「本に没頭していたところに声をかけられてビビった」のように用いられます。「バビる」の「ビビる」は、②の意味です。
「バビる」の使い方
不意を突かれてびっくりする
上で説明した「バビる」に用いられている「ビビる」の意味での使い方は、この不意を突かれて体がビクッとする、心臓がドキッとするというニュアンスです。
(A)
地震バビッたわ
(B)
昨日、母親が突然家に来てバビッた。
一人暮らす子供を心配する親心もわかりますが、連絡もなしに母親が家に来たら驚きます。さらに「お父さんと喧嘩して家出して来たの!もう離婚よ!」なんて言われたら、もっとバビりますよね。
びっくりするくらい感動する
「バビる」は、ただ驚くという以外にも、自分が予想していた以上だったという驚きを表す際にも用いられます。
(C)
(話題のお店で食事をして)美味しすぎて、バビる。
(D)
この曲、良すぎ!バビるわ!
このニュアンスで用いられる場合、衝撃を受けるくらいに良かった、感動したというように、ポジティブな驚きを表現することが多いようです。
野球用語「バビる」
「BABIP」(Batting Average on Balls In Play)は、野球で用いられる、成績評価のための指標のひとつです。日本語では「インプレー打率」と訳されています。
しかし、「BABIP」は「ビーエービーアイピー」や「バビップ」と読まれることから、「バビる」という造語も使われるようになりました。「バビってる選手」というのは「BABIPの高い選手」のことを指しています。
「BABIP」とは
「BABIP」は、よく「運の要素を数値化したもの」と言われています。選手の好調や不調が、選手の実力に拠るのか、それ以外(運)の原因に拠るのかを判断するときに用いられるわけですね。
「BABIP」の計算式は、[本塁打を除く安打数]÷[本塁打と犠飛とファールを除く打数]です。投手の成績評価には、分母に犠飛(犠牲フライ)を含める場合もあります。
「BABIPが高い」=「運による要素が大きかった」と評価される傾向はあります。しかし、「BABIP」が「運」そのものとは言い切れないようです。