「フルチャン」とは
「フルチャン」とは、‘最大限‘を意味する「full(フル)」と‘可能性‘を意味する「chance(チャンス)」がくっついてできた言葉です。
「可能性あり」という意味の若者言葉「ワンチャン(one chance)」からの派生語で、「絶対できる」や「100%可能性あり」などの意味で使われています。
女子高生を中心に2015年頃から使われはじめ、現在ではSNS上で頻繁に飛び交う若者の定番表現となりました。当初は「絶対にできる」という意味での使われ方が主流でしたが、現在はダメになる可能性も含めて「ほぼ間違いない」という意味で使われています。
「フルチャン」の使い方
(A)
今年は授業出席もバッチリ、後はレポートを出すだけなので進級フルチャン。
(B)
1年前から楽しみにしてた野外ライブ、大型台風直撃で中止フルチャン。
(C)
iPhoneの発売日はたまたま仕事が休みなので、フルチャン並ぶまである。
「フルチャン」の由来
「フルチャン」の誕生以前は、上記で登場した「ワンチャン」という表現がよく使われていました。「ワンチャン」は「one chance(ワン チャンス)」の略語で、可能性があるという意味があります。
そこから若者のもつ柔軟な発想で、様々な派生語が作られました。世間からの認知度には多少の差があるものの、いずれも若者の間ではよく使われている表現です。
「~チャン」のバリエーション
可能性を示す若者言葉は「フルチャン」以外にもいくつかあります。それらは、チャン(chance)」の前に付く言葉により意味が異なり、使い分けられています。
- ワンチャン(one chance)…もしかしたら可能性あり
- ノーチャン(no chance)…可能性ゼロ
- ナイチャン(無チャン)… 〃
- ハフチャン(half chance)…可能性は五分五分
- ハンチャン(半chance)… 〃
- ツーチャン(two chance)…「ワンチャン」の倍の可能性
- カクチャン(確chance)…「フルチャン」と同義。可能性100%
英単語の組み合わせだけでなく、漢字が混ざっているところもユニークですね。
「フル」の付く若者言葉
若者間で使われている言葉には、「フルチャン」以外にも「フル(full)」のつくものがあります。ここでは、「フル○○」の中でも使用頻度の高いものをご紹介します。
フル単
「フル単」とは主に大学生の間で使われている用語で、「フル単位」の略語です。学期や学年で必要とされている単位をひとつも落とすことなく、全て取得することを「フル単」といいます。
フルボッコ
「フルボッコ」とは「フルパワーでボッコボコ」の略語です。「ボッコボコ」というと暴力的なイメージですが、議論の中で論破された時や、周りに味方がおらず精神的に追い詰められた状態の時にも、「フルボッコ」という言い方をします。
フルコン
「フルコン」は「フルコン~」の略語なのですが、~の部分はひとつではありません。コンピュータなど専門分野にも「フルコン」という言葉はありますが、ここでは若者言葉の「フルコン」に限定します。
若者の間で使われている「フルコン」は、主に「フルコンボ」または「フルコンプリート」の略語です。
- 「フルコンボ(full combo)」…ゲームの中でミスをすることなく連続の操作を行いクリアすること、また連続技が決まること。おもに音ゲー(音楽ゲーム)で使われる用語です。
- 「フルコンプリート(full complete)」…収集家がコレクションを完成させること。トレーディングカードや漫画、アイドルCDの「ひと揃い」などのほか、ゲーム内でキャラクターが全てのアイテムを所持している、という意味でも使われます。