「糾合」の意味とは?
「糾合」とは、ある目的のために人を寄せ集めてひとつにまとめることをいいます。そのまま「糾合」で名詞として使うことも、「糾合する」のかたちでサ行変格活用の動詞として使うことも可能です。
ここでポイントとなるのが「ある目的のために」という部分です。このことは、ただ単に人を集めただけでは「糾合」にならないことを意味します。
たとえば、何の目的もなく「暇な人は〇〇に集合!」では「糾合」とはいえません。これが、「海岸の清掃をするので暇な人は〇〇に集合!」ならば、十分に「糾合」だといえるでしょう。
ちなみに、「糾合」の「糾」の字は「鳩」と置き換えることができます。これは、「鳩」の字には鳥類の「ハト」以外に「集める」の意味があるからです。ただし、常用外の用法ですので、ふだんは「糾」の字を使ったほうが無難でしょう。
「糾」の表す意味
「糾」の訓読みのひとつに「あざなう」というものがあります。「禍福は糾える縄の如し」という故事で耳にされた方も多いのではないでしょうか。
この「あざなう」は、本来糸をより合わせるという意味合いを持つ言葉です。ここから転じて、他のものを集めるという意味でも用いられています。
「糾」を用いた熟語には「糾合」のほかにも、「紛糾」などがあります。この熟語も、糸がもつれ合っている様子をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
「糾合」を用いた例文
- eスポーツに興味がある人を糾合して、高校に同好会を発足させようと考えているところだ。
- 同志を糾合して会社側に団体交渉を持ちかけたが、見通しはけっして明るいとはいえない。
- 海岸の清掃は個人がバラバラにやっても効果が薄いので、ネットで仲間を糾合するつもりだ。
いずれの例文においても、「糾合」が多くの人々を集める(集めた)ことを意味している点は共通です。しかし、当然ながらそれぞれの目的は異なります。
一つめの例文は、「eスポーツ同好会」の発足が目的でしょう。二つめの例文では明記こそされていないものの、「団体交渉」という言葉から目的が労働環境の改善かや待遇の向上などであることは明白です。
三つめの例文から読み取れる目的は、効果的に海岸の清掃をすることでしょう。このように、「糾合」を用いる場合は目的がある場合に限られます。
「糾合」の関連語
ここで、「糾合」と似た意味合いをもつ言葉や反対の意味合いを持つ言葉について押さえておきましょう。「糾合」の関連語を知ることで、より理解を深めることができます。
「糾合」と似た意味合いを持つ言葉
- 連携(れんけい)…緊密に連絡を取り合いながら、ある目的のために一緒に物事をすること。
- 共闘(きょうとう)…複数の組織が共同して闘争すること。
- 連袂(れんべい)…多くの人々がともに行動すること。
- 協調(きょうちょう)…力を合わせて物事をなすこと。
- 結託(けったく)…互いに心を通じて力を合わせ不正を行うこと。
この中でも最後の「結託」は、悪い意味で用いられることがほとんどなので、使用する際には注意が必要です。
「糾合」と反対の意味合いを持つ言葉
- 解散(かいさん)…集団などを解いてなくすること。
- 解体(かいたい)…組織をばらばらにすること。
- 解党(かいとう)…政党などを解体すること。
- 散開(さんかい)…散り広がること。
- 分散(ぶんさん)…分かれ散らばること。
反対の意味合いを持つ言葉には、ある共通点があります。それは、「解」の字や「散」の字が多くみられることです。これは、これらの文字が持つ字義を考えれば当然のことだといえるかもしれません。
「糾合」を英語で表すと?
「糾合(する)」を英語で表現したものの中で代表的なのは、「assmble」や「bring together」です。では、例文で用法を確認しておきましょう。
【例文】
- It was so difficult to assemble everyone because of a tight schedule.(厳しいスケジュールのため、全員を糾合するのはとても難しかった。)
- They brought together people from around the world to discuss the issue.(彼らは、その問題について話し合うために世界中から人々を糾合した。)