「謁見」とは?意味や使い方をご紹介

「謁見」は、なによりもまず読み方の難しい言葉といえます。「えっけん」と読みますが、意味もまた難解ですね。日常生活にはほぼ出てこない場面を表す言葉なので、無理のないことです。今回は、「謁見」の意味と様々な場面における使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「謁見」とは?
  2. 「謁見」の使い方
  3. 「謁見」の類語

「謁見」とは?

「謁見」は、(えっけん)と読みます。意味がすぐ出てくる人はそう多くないでしょう。新聞やテレビのニュースではよく見聞きする言葉なのですが、一般市民があまり体験することのない場面を表す言葉です。

「謁見」とは、身分の高い人、貴人や権力者などに会うことを意味する言葉です。「謁」という漢字は、音読みが(えつ)、訓読みが(まみ・える)。これ一文字で「身分の高い人に会う」という意味をもっています。

「謁見」の使い方

いくつかの辞書では、「謁見」という言葉の意味として、「目上の人に会う」ことを挙げているものもあります。しかし、「謁見」は「先輩」や「上司」といった通常の意味での「目上」の人に対して使う言葉ではありません。

「謁見」する対象は、「貴人」や「王族」、つまりたんなる「目上の人」というレベルをはるかにこえる存在の人々です。

社会人となり、言葉遣いに慎重になるあまり、「社長に謁見した」などと言わないように気を付けましょう。先輩、上司、恩師など「目上の人」は多々存在しますが、すべて「お目にかかる」「お会いする」などの言葉が適切です。

「拝謁」について

「拝謁」(はいえつ)と読みます。この言葉は、「謁見する」の謙譲語に当たります。類語としてではなく、「謁見」の使い方の一例として解説します。

「謁見」した対象人物に謝辞をのべる際、「謁見させて頂きありがとう存じます」よりもさらにへりくだった言い方として、「拝謁させて頂きありがとう存じます」は適切な言い回しです。各界最高レベルにある貴人たちへの最高レベルに丁寧な挨拶となります。

「謁見」の文例

  • たいていの場合、偉大な宗教指導者に謁見がかなった人々は、人生観が変容すると聞く。
  • ビジネスの販路を広げるべく、アラブ諸国の指導者たちに謁見を申し込んだがすべて断られた。
  • ある皇族との面談がかない、「拝謁させて頂き光栄に存じます」と申し上げると、にこやかに微笑んでくださった。

「謁見」の類語

「拝顔」の意味と使い方

「拝顔(はいがん)」とは、「お目にかかる」。つまり、他者に会うことをへりくだって述べる言葉です。~に拝顔する、~を拝顔する、拝顔をえる、などのように用います。

身分の高い人を対象とする場合に限定された言葉ではありませんが、「お顔を排する」というへりくだった述べ方は、自ずから目上、年上、身分の高い人に用いるものであることから、「謁見」の類語たりえます。

ただし、「謁見」のように、最高レベルの貴人たちだけへでなく、一般的な目上の人を対象としても用いることができる言葉です。

【文例①】まさか尊敬する万葉集の著名学者A氏に拝顔するとは夢にも思わないことだった。
【文例②】新入社員の自分が個人的に社長の拝顔を得るなど、想像もできないよ。

「お目通り」の意味と使い方


「お目通り(おめどおり)」とは、身分の高い人に会うこと、お目にかかること、を意味する言葉です。謁見や拝謁と同じ意味ですが、柔らかい表現ですね。

自分から先方に謁見を希望するさいの言葉であり、お目通りを願う、お目通りが叶う(叶わない)などの言い回しが一般的です。

【文例①】消費税のあり方への自説をある経済界の大物に伝えたくて、お目通りを願っているんだ。
【文例②】華道の家元へのお目通りが叶い、直接の教えを賜ることができて夢のようです。


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