「カニバリズム」とは?意味や使い方を「カーニバル」との違いを含めてご紹介

「カーニバル」といえば、楽しげなお祭り騒ぎが連想されるでしょう。では、「カニバリズム」はどんな意味でしょうか?音が似ているから意味もカーニバルと似ていると認識している人もいるかもしれませんね。今回は「カニバリズム」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「カニバリズム」とは
  2. 「カニバリズム」の使い方
  3. 「カニバリズム」の語源
  4. 「カニバリズム」と「カーニバル」

「カニバリズム」とは

「カニバリズム」(cannibalism)とは、簡単に言えば、人が人肉を食べることを指します。小説や映画などを通じてこれら言葉を知ったという方もいらっしゃるでしょうか。
 
たとえば、トマス・ハリスによる小説『羊たちの沈黙(原題:The Silence of the Lambs)』の登場人物ハンニバル・レクターは、自分で殺害した人の肉や臓器を食する猟奇殺人犯です。本作はシリーズ化され、映像化もされている作品なので、ご存知かもしれませんね。

しかし、「カニバリズム」には細かい区分やほかの意味もありますので、もう少し詳しく見ていきましょう。

「カニバリズム」の詳細

上述したように、人間が人間を食すことは「カニバリズム」のもともとの意味で、人肉嗜食、食人とも言われます。

もう少し詳しく見ていくと、「カニバリズム」は、とくに文化人類学の分野において、社会的な慣習、または、儀礼的な食人行為を指します。

これに対し、一時的な飢餓 などの際の緊急措置として人肉を食べることは、アントロポファジー(anthropophagy)と言われ、「カニバリズム」とは区別されることがあります。

「カニバリズム」の別の意味

言ってみれば、「カニバリズム」は、人間という同種間の共食いです。生物学においては、クモやカタツムリなど多くの生物でみられる「共食い」(種内捕食)を指します。

また、「カニバリズム」は、自動車や航空機の整備にの際、別の同型機から外した部品を使って修理する「共食い整備」を指すこともあります。しかし、これについては、日本語で「共食い整備」と称するケースが多いようです。

「カニバリズム」の使い方

  • カニバリズムを題材とした小説や映画、漫画、アニメ作品は多く存在している。
  • フィクションの世界だけでなく、実際の事件でカニバリズムが起きたケースもある。
  • カニバリズムは鳥類や哺乳類などの高等生物でも観察されている行動だ。
  • 平時であっても、経済的な事情などで、兵器や装備の修理としてカニバリズムが行われる。

「カニバリズム」の語源

「カニバリズム」を英語で表記すると'cannibalism'で、これは「カリブ人」'Carib'に由来すると言われています。大航海時代にはカリブはすでに知られており、航海士たちの間では「カリブ諸島の人たちは人喰い人種である」と恐れられていたのです。

人肉を食すという行為は、古来、世界中で行われてきたことです。しかし、この時代のカリブの人々が、実際に食人を行っていたかどうかは諸説あります。

西洋人が、自分たちが支配する地域の人々を「キリストの教えに反する蛮族だ」と貶める目的で、そのように吹聴したとも考えられているのです。

「カニバリズム」と「カーニバル」

「カニバリズム」と間違えやすい言葉に「カーニバル」があります。音は似ているのですが、実はまったく異なる言葉です。

「カーニバル」とは

「カーニバル」(carnival)は、カトリック教国で春に行われる祝祭のことで、謝肉祭とも呼ばれます。悪霊追放、豊作や幸福を祈願する行事で、四旬節(キリストの復活を祝う復活祭前の40日間)の直前に行われます。

また、「カーニバルは」、リオのカーニバルからイメージされる通り、陽気なお祭り騒ぎという意味でも用いられる言葉です。

「カニバリズム」と「カーニバル」の違い

カニバリズムは「人肉を食べること」、カーニバルはもともとラテン語で「肉を断つこと」ですから、まったく違う意味であることがわかります。

また、カニバリズムはキリスト教の倫理観に反する行為。一方で、カーニバルは、元来、カトリック教の祭りです。その点においても、相容れない言葉であると言えるでしょう。


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