「クエスト」とは
「クエスト」の意味
「クエスト」は後述する英語の'quest'に由来するカタカナ語で、「探求・探索」あるいは「(物語などにおける)冒険の旅」を指しています。
ゲーム用語の「クエスト」
「クエスト」は、『ドラゴンクエスト』などの作品タイトルだけでなく、MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:大規模多人数同時参加型オンラインRPG)などのゲーム用語としても用いられています。
MMORPGにおいて「クエスト」は、プレイヤーキャラクター(ユーザが操作するキャラクタ)が、NPC(ノンプレイヤーキャラクタ)から課される任務のこと。「クエスト」達成により、報酬を得たり、ステージが進んだりするのです。
また、TTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)などでは、ゲームマスタが提示する外伝的な冒険シナリオやおまけのミッションのことを「クエスト」と称しています。
「クエスト」の使い方
「クエスト」という言葉が使われるのは、おもに、ゲームに関する話題においてです。
【使用例】
- このクエストを完了しなければ、次のエリアに進むことができない。
- 本作では、アイテムは、おもにクエストの報酬として入手する。
- 未達成のクエストがあると、このオプションは使用することができない。
'quest'とは
'quest'の意味
'quest'には、「探求・冒険旅行」あるいは「探し求める」といった意味があります。'quest for treasure'(宝探し)のように用いられるだけではありません。
就職活動ならば'quest for job'、幸福の探求ならば'quest for happiness'と、さまざまな分野で用いられる言葉です。
なお、'question'は、動詞'quest'の名詞形で、「探し求めること」から「質問」の意を表しています。
'quest'の語源
'quest'の語源は、ラテン語で「探し求める」という意味の'quaerere'とされています。同じ語源を持つ英単語には、'inquire'(尋ねる)、IT用語としても用いられている'query'(質問・クエリー)、'require'(必要とする)などがあります。
『ドラゴンクエスト』とは
「クエスト」という言葉が広く用いられるようになったのは、RPG『ドラゴンクエスト』がきっかけです。そこで、ここでは『ドラゴンクエスト』について触れておきましょう。
『ドラゴンクエスト』概要
『ドラゴンクエスト』(ドラクエ)は1986年に、エニックス(現在のスクエア・エニックス)からファミリーコンピュータのソフトとして発売されました。『ドラクエ』によって、初めて家庭用ゲーム機にRPGというゲームジャンルが持ち込まれたのです。
キャラクターデザインを漫画『ドラゴンボール』などで有名な鳥山明、音楽を『科学忍者戦隊ガッチャマン』などアニメ音楽などを多く手がけたすぎやまこういち、ゲームシナリオを『ポートピア殺人事件』の堀井雄二が担当したことでも注目されました。
『ドラクエ』はシリーズ化されたため、最初の作品は『ドラゴンクエストⅠ』(ドラクエⅠ)と呼ばれています。『ドラクエ』シリーズは派生作品も多く、それぞれがさまざまなゲーム機に移植、スマホアプリとしても配信されています。
『ドラゴンクエストⅠ』
『ドラクエⅠ』は、プレイヤーが伝説の勇者ロトの血を引く勇者となって、竜王に攫われた姫を救出、かつ、竜王を倒すことを目的としたストーリー。レベルアップしたり、アイテム購入資金を稼いだりするために、モンスターを退治しながら進みます。
世界観、ゲームシステム、シナリオなどはのちのゲーム作品、漫画やドラマなど数々の創作に影響を与えることとなりました。
たとえば、ほかの作品で、「おお○○○(プレイヤが付けた名前)!しんでしまうとは なにごとだ」「へんじがない ただのしかばねのようだ」といった台詞が使われていることがありますが、元ネタは『ドラクエⅠ』なのです。