NPCとは
NPCとは、「ノンプレイヤーキャラクター(Non Player Character)」の略称で、ゲームのプレイヤーが操作できないキャラクターのことです。
これに対し、プレイヤーが操作可能なキャラクターを「PC(プレイヤーキャラクター)」と呼びます。RPGで使われることが多いです。
例として、町や村の住人、一時的にパーティーに加入するキャラ、モンスターなどが挙げられます。ただし、作品によって定義が異なっており、モンスターをNPCと区別するということもあります。
NPCの使い方
- 「細い通路をNPCが邪魔していて先に進めない……」
- 「あのキャラはNPCだけど、インパクトが強いからコアなファンが多いよね」
NPCの語源
NPCはもともと「テーブルトークRPG」で使われていました。テーブルトークRPGとはコンピューターを用いずに行うRPGのことで、ルールブックに基づいてキャラクターを作成し、人間同士がシナリオに沿って対話をしながら進めていくゲームです。
参加者の1人が「ゲームマスター(GM)」という進行役を担い、他の参加者が作成したキャラになりきります。それ以外のキャラクターはGMが動かすのですが、これがテーブルトークRPGにおけるNPCです。
コンピューターの発達した現代では、ゲームに用いられるAI(人工知能)である「ゲームAI」がこのGMの役割を担っています。
NPCの役割
NPCはRPGでどのような役割を果たしているのでしょうか?大きく分けると、「ゲームの説明」「ゲームの進行」「ゲームバランスの調整」という3つが考えられます。
①ゲームについて説明する
NPCはゲームの設定や機能について説明してくれます。とくに主人公が最初に訪れる(または暮らしている)村や町で会話を通してプレイヤーに説明することが多いです。
たとえば、設定の場合は「世界が魔王に支配されている」「何らかの理由で世界が滅びようとしている」というようにその世界がどういう状況にあるのかを語ります。そうすることでプレイヤーが何をすれば良いのかを理解することができるのです。
機能については、モンスターとの戦い方やメニュー画面の使い方などの操作方法を教えてもらえます。これによって、もし説明書を読まずにプレイしたとしても、プレイヤーが操作方法を理解できるのです。
②ゲームを進行させる
NPCはゲームを進行させる手助けを、さまざまな形でしてくれます。その1つが、PCに情報やアイテムを与えてくれることです。
NPCから情報をもらうことによって、プレイヤーが次の段階に進む方法を知ることができます。また、鍵や乗り物などのアイテムをもらうことで、それまで行けなかった場所に行くことができるようになります。無償で入手できることもありますが、金銭やアイテム、頼み事を聞くなどの対価が必要なことも多いです。
あるいは、PCの特定の行動によってNPCがイベントを引き起こすこともあります。たとえば繰り返し会話したり、特定の場所に移動したりすると、NPCが自動的に動き出し、イベントに突入します。これによってゲームが次の段階に進んでいくのです。
③ゲームバランスを調整する
RPGでは、敵が強かったりダンジョンが長丁場だったりして、ゲームの攻略が困難になることもあります。こうしたゲームバランスの偏りを是正するのも、NPCの役割です。
パーティーメンバーが少ない序盤にダンジョンに向かう、パーティーだけでは太刀打ちできないような強力なボスキャラと戦うなどといった場合に、ある程度の戦闘能力を持ったNPCがパーティーに加入します。『ドラゴンクエスト』シリーズでよく見られる使われ方です。
NPCと似た言葉
NPCと似た意味を持つ言葉に「CPU」というものがあります。こちらはRPG以外のゲーム(とくに格闘ゲームなどの対戦形式のもの)で使われることが多いです。
たとえば、4人対戦のゲームで2人しか参加者がいない場合に残りの2人分がCPUとなり、ゲームに参加します。
CPUは本来、コンピューターの中央演算処理装置という意味です。ゲームにおいてはコンピューターを意味する「COM」と表記されることが多く、CPUはプレイヤー間で使われる呼称です。