「裾上げ」とは?
ズボンやスカートは、デザインや流行、あわせる靴などによって、しっくりくる丈があるものです。また、スーツなどのズボンは購入者が裾の長さを調整する前提で、始末していない場合もあります。そんな時は裾上げが必要です。
「裾上げ」(すそあげ)とは、スカートやズボンの裾を切ったり折ったりしてから縫い直し、丈を整えることを言います。
「裾」とは?
「裾」(すそ)には、「服の下部分の縁(ふち)」「頭髪の襟に近い末端の部分」「山の下部・麓(ふもと)」などの意味があります。「裾上げ」の場合は、1つ目の意味ですね。
着物の裾を絡げる(からげる)と言えば、動作の邪魔にならないように、着物の裾をたくし上げて、帯に挟んでおくこと指します。
「裾上げ」の使い方
- 丈の長さについて店員さんからアドバイスをもらったので、ズボンを買った際に裾上げも一緒にお願いすることにした。
- 兄から譲ってもらったスラックスは、僕には丈が長すぎたので裾上げして履いている。
- 最初は裾上げのやり方がわからなかったが、ネット上で簡単な方法が紹介されておりとても参考になった。
「裾上げ」の類語
「裾上げ」に似た言葉に、「裾直し」(すそなおし)があります。これは丈を短くすることだけでなく、縫い目をほどいて丈を長くしてから縫い直すことも含みます。
一方、「丈(たけ)を詰める」「丈詰め」は、「裾上げ」と同じく、ズボンやスカートの丈を短く整えることを指す言葉です。
「裾上げ」のやり方とは?
「裾上げ」は、服を購入したお店の付帯サービスとしてやってもらうか、洋服のリフォーム店に頼むのが一般的です。しかし、裁縫が得意な人の場合は、自分で、ミシン縫い、または、手縫いで「裾上げ」することもあるでしょう。
1980年頃には、アイロンの熱で布地を接着できる「裾上げ専用テープ」が登場しました。これを使えば縫う必要がありませんから、家庭でも手軽に「裾上げ」ができます。
なお、ズボンの裾上げには、シングルとダブル、二つの方法があります。それぞれを詳しく見てみましょう。
シングル
「シングル」は裾に折り返しのない一般的なタイプです。ジーパンの裾のようなタイプですね。また、礼服の場合もシングルに仕立てます。
【やり方】
- まず、履いてみて、出来上がった状態の丈を決め、印をつけます(出来上がり線)。
- 1の印から4cmくらい(縫い代となる部分)下をハサミで切ります。
- 端から2cm(縫い代の半分)のところを内側に折ってアイロンで押さえます。1の出来上がり線のところでも同じようにして、三つ折りにします。
- 三つ折りの部分を縫います。カジュアルなものならばミシンで直線縫い。スラックスなどはミシンまたは手縫いでまつり縫いにします。
ダブル
「ダブル」は裾を折り返すタイプを言います。折り返すといっても、ジーパンの裾をロールアップするように裏地が見える形で折り返すのではなく、裏地を見せない状態で折り返します。
【やり方】
- まず、履いてみて、出来がった状態の丈を決め、印をつけます(出来上がり線)。
- 折り返し幅を3cmとすれば、1の印から3cm下が折り山、さらに3cm下が裾です。さらにその1cm下(ほつれ止め分)をハサミで切ります。
- 切断部分にほつれ止めをします。ロックミシンで処理するか、ミシンで捨て縫い(※)をします。
- 折り山で内側に折ってアイロンをかけます。
- 出来上がり線をミシンで直線縫いします。
- 出来上がり線で外側に折ってしっかりアイロンをかけます。2箇所くらい、目立たないように折り返し部分を縫いとめると形を綺麗に保てます。
※捨て縫い(捨てミシン):布地の補強やほつれ止めのために折らずに直線縫いすること
「裾上げ」を英語表現で表すと?
「裾上げ」は英語で「hem(裾を上げる・かがる)」「hemming(裾上げ)」と言います。また、「alter(仕立て直す)」を用いることも可能です。
- I’d like to have these pants hemmed.…裾上げをお願いします。
- hemming service…裾上げサービス
- Can you alter the pants for me?…ズボンの丈を詰めてもらえますか?