「一助」とは?
「一助」は、(いちじょ)と読み、わずかばかりの助けや手伝い、少しばかりの足し、何かの足しという意味があります。
日常的な場面では「家計の一助とする」などといった表現で使われることがあります。また、ビジネスシーンやあらたまった会話、手紙、文章などにおいては、自らを「謙遜する表現」として比較的高い頻度で用いられます。
「一助」の使い方
謙遜する表現での「一助」
「一助」においてマスターしておきたいのは、仕事やあらたまった文章、もしくは就職活動で志望動機を記す際の使い方です。
日本では、自分の実力や貢献をストレートにアピールしない、謙虚な姿勢が好まれやすいですね。ビジネスにおいても、先方に「私の働きが大いに助けとなり、役立つことと思う」などのように伝えることは、ほとんどないといえるでしょう。
実際はそれなりの働きをしたとしても、「少ししかお役に立てずに…」と、謙遜して控えめな表現をしているのが「一助」という言葉です。「微力ながら」などの言葉とあわせ、「~の一助となれば幸いです」、「~の一助となるべく~します」などと用いるとスマートです。
就職活動などの自己PRにおいても、自分の得意分野や実績などを記したあとで、「貴社の~の一助になれることを願います」などと締めれば、よい印象を持ってもらえるかもしれませんね。
文例
- このたびは当社の飲料を多々ご採用くださり、まことにありがとうございました。参加者の方々の楽しみ、快適さの一助となれば幸いです。
- 開発チームに加えて頂き、気が引き締まる思いです。微力ながら、プロジェクト成功の一助となるよう努めます。
- ご研究の一助となることを願い、該当データをファイル添付させて頂きます。
- 海外生活の体験と英語力が貴社の海外事業の一助となれますことを願う次第です。
「少しばかりの足し」という意の文例
- 家計の一助になればと、最近ファミリーレストランでバイトを始めた。
- 君の文章修行の一助として、エッセイの名手が書いた一冊を進呈しよう。
「一助」の類語
「お力になる」の意味と使い方
「お力になる」は、助けとなる、力添えする、支えとなる、などの意味を丁寧に表現したものです。自らを「力になる」と言い切っているのが「一助」と異なる点といえます。
「一助」に近いニュアンスにするには、「微力ながら」や「お力になれれば光栄です」などの言葉で謙遜の気持ちを補うとよいでしょう。
【文例】このたびの紅葉祭りには、当吹奏楽団をお招きくださりありがとうございます。微力ながら、祭りの賑わいのお力になれれば光栄です。
「お役に立つ」の意味と使い方
「お役に立つ」は、役に立つ(有用なこと)に丁寧語の「お」をつけた言い回しです。相手の役に立つ、相手の有用な助けになることを意味しています。
「お力になる」と同様に、謙遜の意は含みません。ただし、「役」という漢字には、つとめ、仕事、使われる、などの意味があるため、「お力になる」に比べるとやや控えめな表現といえるでしょう。
こちらも、「微力ながら」「少しでも」「幸いです」「嬉しいです」などのフレーズを補うと、より謙遜した意味合いをもたせることができます。
【文例】この情報が、少しでも先生のご研究のお役に立つのでしたら幸いです。