「間隙」の意味
間隙は「かんげき」と読みます。「物理的・時間的な空間、すきま」、「人の間の距離の隔たり」という意味で、漢字を逆にした「隙間(すきま)」と同じです。「油断や気のゆるみ」の意味もあり、こちらは「隙(すき)」とも言い換えられます。
「間隙」の使い方
「間隙」と「隙間」は漢字の順が逆であることと音読みと訓読みであるという違いがありますが、意味は全く同じといって差し支えありません。「間隙」を使うのは、通常「隙間」を使うところを、文語調の表現で強調して印象付ける意図か、専門用語としての場合が多いようです。
- 街中を人の間隙を縫って急いで歩いた。(「隙間を縫う」と同じ)
- 相手の一瞬の間隙を突いて拘束から逃れた。(「隙を突く」と同じ)
- 無二の親友だったはずのふたりに間隙が生じた。(心理的な距離ができた、不和になった)
専門用語(土木用語)としての「間隙」
理系の専門用語では、「間、隙間」の意味で「間隙」が頻繁に使われています。とくに「間隙」という言葉が多く使われるのは土木分野です。
土木用語としての「間隙」とは、土の粒子同士が重なり合う際にできる隙間という意味です。土の性質や状態を知るための重要な要素であり、それに関連した用語には以下のようなものがあります。
- 間隙比(土の間隙の体積と土粒子の体積の比)
- 間隙率(土の間隙と体積と土の総体積の比)
- 間隙流体(土の間隙の中にある空気と水のこと)
- 間隙圧(間隙流体の持つ圧力のこと。水で飽和土の場合は間隙水圧と呼ぶ)
「間隙」の同義・類義語
上で挙げた「隙間」、「隙」の他、次のような言葉が同義語、類義語と言えるでしょう。
- 空隙(くうげき):間隙。暇な時間。
- 合間(あいま):物事が途切れた短い時間。隙間。
- 空間(くうかん):何もないところ。上下四方への広がり。など