「承知いたしました」の意味
「承知」とは事実を知った上でききいれること。同意すること。事実や事情を知ることです。「承知する」とは「知る」「わかる」の謙譲語(自分を低く下げ相手を敬う気持ちを表現する)になります。
「承知しました」とは謙譲語である「承知する」を丁寧に表現した言い方です。「承知いたしました」は「承知しました」をより丁寧に表現した言い方ということになります。
「承知いたしました」は英語で書くと「I understand」となり、「承知しました」は「AII rignt」と翻訳されます。
「承知いたしました」の使い方
「承知いたしました」とよく似た表現
「承知する」は「知る」「わかる」の謙譲語ですが、もう一つ「わかる」の謙譲語に「かしこまる」があります。もう少し詳細に説明すると「知る」の尊敬語は「ご存じ」で丁寧語は「知っています」。「わかる」の尊敬語は「ご理解頂く」で丁寧語は「わかりました」です。
日常的に使われている言葉には「了解」があります。他にも「承知」の意味を知れば似たような言葉がたくさん思い浮かぶと思いますが、日本語の難しいところで、意味は分かるがどのように使い分けるのか迷ってしまいますよね。
「承知いたしました」の適切な使い方
先ほど述べたように「承知」に似た表現はたくさん存在しますが、ではどのように使い分ければ良いのかということになりますね。
上司や取引先、お客様のような目上の人に対しては敬語である「承知しました」「承知いたしました」「かしこまりました」「承りました」(謙譲語)や、「ご理解いただく」(尊敬語)を使うと相手を敬う気持ちが表現され失礼になりません。親しい間柄では「了解しました」で差支えありません。
丁寧語は相手を問わず使いますので「わかりました」「知っています」を使用しても良いです。ただし、ふてぶてしい印象も与えかねませんので言い方には気をつけましょう。
「承知いたしました」の関連語
ビジネスで使う場合は?
•了承するときは「わかりました」ではなく「かしこまりました」「承知しました」を使いましょう。
「お見積もりの金額ですが、~円に変更ということで、かしこまりました(又は、承知しました)。」
•引き受けるときは「はい」ではなく「承りました」をつかいましょう。
「明後日の打ち合わせの書類ですが、明日のお届けということで承りました。」
•電話で代わりに用件を聞くときは「ご用件はなんでしょうか」ではなく「代わりにご用件を承ります」と伝えます。
「もしよろしければ、代わりに用件を承ります。」
かしこまりました
皆さんは「かしこまりました」と聞いてどういう印象を抱きますか?意味合いとしては「了解しました」「承知しました」と変わりはないのですが、聞く側の印象は随分違ってきますよね。
「かしこまりました」とは昔、身分の高い人の前で正座してひれ伏すときに使っていました。現代でも目上の人に「かしこまりました」と答えると、人間関係が安定しやすいのです。
おっと合点、承知之助
最近では聞きなれない「おっと合点、承知之助」ですが、昔は時代劇で「てやんでい、おっと合点承知之助でい」と威勢良く町人が言っている様子を耳にしたものです。
「まかせとけ。承知した。」という意味で、承知に「之助」をつけて人の名前になぞらえたとされています。昔のしゃれ、現代でいうおやじギャグです。何か相談した時、こんな調子で引き受けてくれたら頼もしいですね。
承知しない
その昔よく使われていた言葉ですが、最近はあまり聞きません。意味は「許さない」「かんべんしない」です。だれかに言われたら「ゾクッ」とするフレーズですね。「承知」に反する意味合いとして使いやすい言葉に「容認できない」「許容できない」「同意できない」があります。
「承知いたしました」のまとめ
「承知いたしました」の意味や使い方を紹介してきましたが、ご参考になりましたでしょうか。日常生活ではあまり使い慣れない言葉ですが、目上の人を敬う言葉として認識しておけば様々なシーンで役に立つのではないでしょうか。言葉使いで悪い印象を与えないよう気をつけたいものです。