「ファクター」とは?意味や使い方をご紹介

「ファクター」とは、英単語「factor」に由来するカタカナ語で、「要因」や「因子」といった意味を持ちます。日本語の中でも特にビジネス関係などで使われることがありますので、用法を確認しておきましょう。ここでは、「ファクター」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「ファクター」の意味
  2. 「ファクター」の使い方
  3. 「ファクター」に関連する言葉

「ファクター」の意味

「ファクター」(英語:factor)とは、「要因」「因子」のこと、つまりある結果を生じるもととなるいくつかある要素のうちのひとつ物事を成立させる主要な原因のことを指します。

また、「ファクター」は「要素」とも訳され、単に「物事を成立させるに足る根本的な条件」だけではなく、「それ以上簡単なものに分析できないもの(最小単位)」という含みを持つ場合があります。

他に、数学用語で「因数」という意味もあります。「因数分解」の「因数」だ、というとちょっと身構えてしまうかもしれませんが、いくつかの数や多項式を成り立たせるひとつの数や式のことですから、結局、一般的な意味とそう変わりありません。

「ファクター」の使い方

あらゆる物事は、「原因」と「結果(成果)」という因果関係で考えることができます。ある「結果」をなす諸要素のひとつひとつ、あるいはその中でも特に重要な(重要と思われる)原因のことを「ファクター」と呼びます。

「ファクター」は「原因」の分類

「ファクター」は「原因」と意味が似ていますが、少しニュアンスが違います。「原因」は「結果」と一対一対応というイメージもありますが、大抵、ある「結果」の成立原因はいくつかの「ファクター」に分類可能です。

例えば、「今日、雨が降った原因」を一意に言い切ることは困難です。なぜなら、気候変化の原因は、気圧配置、雲の流れ、上空の気温、季節、地理的条件など、科学的にさまざまな「ファクター」に分けて考えることができるからです。

必然的に、「ファクター」は「結果」に対する単純な「原因」ではなく、「どのような物事が、原因足り得るか」という情報分析における「予測、管理、分析、マネジメント」の文脈で使用されるのが基本です。

例文

  • 人が物を買う基準として、産地や性能はもちろんだが、価格は大きなファクターとなりうる。
  • 彼が周囲から孤立するまでにはさまざまなファクターがあったが、そのひとつに彼の攻撃的な性格があるかもしれない。
  • インドアな趣味を多く持つ彼女は、生きていく上で、人とかかわりを持つことはこれといって重要なファクターではないと考えていた。
  • スピードと実行力。この二つは有能と呼ばれる政治家に欠かせないファクターだ。
  • 子供向けの本だから、複雑なファクターは排除して、とにかくわかりやすい話にしよう。

「ファクター」に関連する言葉

「ヒューマンファクター」

「ヒューマンファクター」(human factor)とは、「人間因子」や「人的要因」と呼ばれ、主に組織運営や作業工程などにおいて考慮しなければならない、機械やシステムの運用とは区別される「人間ならではの要因」のことです。

代表的な「ヒューマンファクター」は、「どれほど訓練を積んだ人間でも必ずミスをすること(ヒューマンエラー)」です。他にも、疲労や、人間関係の軋轢などの理由で、作業や行為の信頼性が下がることはどんな人間でもありえます。

工業、運輸、製造などといった、わずかなミスが大きな危険につながる業界では、この「ヒューマンファクター」を考慮した上、それが他の人間や社会に大きな損害を及ぼさないよう、安全対策等に取り組む必要があります。

「リスクファクター」

「リスクファクター」(risk factor)とは、リスクを作り出す「ファクター」、つまり「危険因子」のことです(「リスク因子」「リスク要因」とも呼ばれます)。

例えば、「タバコの吸いすぎは癌の発病確率を高める」のは有名な話ですが、この時、「タバコは癌のリスクファクターである」と言うことができます。

「Xファクター」(ファクターX)

ある結果(事実)について、何らかの特異なファクターが存在するはずなのに、それが見つかっていない(分類できていない)場合、そのファクターを「Xファクター」や「ファクターX」と呼びます。(「X」は未知数のことで、未知のもの、の意)

2020年に世界的に流行した新型コロナウイルス(COVID-19)について、日本をはじめとする特定地域のみ重症例・死亡例が少ない事実について、「何らかの『ファクターX』があるのではないか」と話題になりました。

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