「好々爺」とは?意味や使い方をご紹介

「好々爺」、なんと読むかご存知でしょうか?「すきすきじじい」と読むとなんだか妖怪のようですが、これは間違った読み方です。正しい読み方は「こうこうや」。字面から意味も推測できてしまいますよね。今回は「好々爺」の意味と使い方について解説します。

目次

  1. 「好々爺」とは
  2. 「好々爺」の字義
  3. 「好々爺」の使い方

「好々爺」とは

「好々爺」は、「こうこうや」と読みます。中国語のようにも見えますが、れっきとした日本語です。人のよいお年寄り(基本的にはお爺さん)を意味します。

「好々爺」の字義

「好々爺」の意味をより明確に理解するために、用いられている漢字の意味を確認してみましょう。

「爺」の字義

まず、「爺」という漢字。音読みは「ヤ」、訓読みは「おやじ・じじ」です。代表的な意味は2つあります。

  1. おやじ・父の俗称。(阿爺(あや))
  2. じじ。じじい。老人。また、老人の尊称。

現代では、「父」の意味ではほとんど使われず、「老人」わけても「おじいさん」の意味で使われていますね。「好々爺」の「爺」もそのまま「おじいさん」という解釈で問題ありません。

「好」の字義

「好々爺」の意味が誤認される可能性があるとすれば、「好」の字が原因でしょう。音読みは「コウ」、訓読みは「この(む)」「す(く)」です。「よ(い)」「よしみ」などと読むこともあります。

この「好」は、実に多くの意味を持つ漢字です。代表的なものを挙げると、次のようになります。

  1. 愛する。このむ。(好悪・愛好)
  2. 美しい。(好男子)
  3. すぐれている。立派な。(好投。好手)
  4. よい。このましい。(好運・好機・絶好・良好)
  5. よしみ。(好誼・友好)
  6. このみ。趣味。(好尚・嗜好)

「好々爺」の「好」は上の4の意味で用いられています。「好人物」と同じ使い方ですね。1の意味で解釈すると「大好きなお爺さん」、2の意味でとらえると「容姿のすぐれた老人」となってしまい、大きく意味がずれてしまいますから注意しましょう。

ちなみに、2の熟語例に挙げた「好男子」は「人柄の優れた男子」と思われそうですが、本来は「美青年」と同義の言葉です。

「好々爺」の使い方

「好々爺」という言葉には、「人のよいお爺さん」以上の意味はありません。発言者が、「人柄『だけ』はいい人だ」や、「お人よし」といったニュアンスで使う可能性はありますが、それは使用者の意図によるもので、言葉の意味とは無関係です。

  • 裏のご隠居は、いつも穏やかな人だ。好々爺とは、ああいう人物のことを言うんだろうね。
  • 山下先生は、好々爺の笑みで僕たちの議論を見守っていた。

「好々爺然」

「好々爺然(こうこうやぜん)」という言葉があります。「好々爺のように見える態度や様子」という意味です。

この「見える」が重要で、「好々爺然」という言葉には、「一見すると好々爺だが本当のところは…」というようなニュアンスが含まれることがあります。

  • あの、いつも公園のベンチに座っているお爺さん。好々爺然として優しそうな感じだね。
  • 丁寧な口調と好々爺然とした振る舞いに皆騙されているが、あの爺さん、かなりの狸だよ。


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