「造形美」とは?意味や使い方をご紹介

「造形美」という言葉をご存知でしょうか。「造形美」とは、見た目の美しさや外観の美しさを表し、対象は自然界のものからアート作品、工芸品や建築物、プロダクト、人の顔まで、ありとあらゆるものに及びます。ここでは「造形美」の意味と使い方をご紹介します。

目次

  1. 「造形美」とは
  2. 「造形美」の使い方
  3. 「造形美」の成り立ち
  4. 「美」の指標

「造形美」とは

簡単に言えば、「造形美」とは、つくり出されたものに対して感じる美しさのことです。つくり出すのは人間とは限りません。山や湖、不思議な形に削られた岩、砂漠に浮かぶ波紋、日差しに透ける葉の葉脈などは自然によってつくり出されています。

人や自然などによってつくり出されたものを美しい、見事だと感じる一方で、それらをつくり出した存在に対する敬意を含んているのが「造形美」という言葉です。

「造形美」の使い方

  • 水が造った自然の造形美を楽しみに出かけましょう。
  • 顕微鏡で見る雪の結晶の芸術的な造形美に魅せられています。
  • 貝殻の造形美を見るたびに、これを何かに活かせたらと考えています。
  • これほどの造形美が存在するものかと目を疑いました。
  • 若い頃から自動車の造形美を愛していた。

「造形美」の成り立ち

「造形美」は、「造形」と「美」を組み合わせた言葉です。「造形美」の意味を知るために、「造形」と「美」、それぞれの意味を確認していきます。

「造形」とは

造形」は、「ある観念などからある形をつくり出すこと、またつくり出されたもの」を意味します。

アート界においては、実体のある絵画や彫刻、工芸、建築を指して造形芸術と言っていました。しかし、現在ではメディアアートを含む芸術作品すべてを造形芸術と呼ぶようになってきました。

「美」とは

」とは、「美しいこと、またはその様子」という意味。人が美しいと感動するものには、姿・形・色彩、バランス・輝き・リズムの良さだけでなく、非常に立派な振る舞いなどがあります。

哲学の世界においては、「美」は「真」「善」と並ぶ最高価値の一つであり、知覚、感覚、情感の刺激により引き起こされる内的快感と定義されています。

「美」の指標

視覚で感じる刺激には、色や形、バランスなどさまざまな要素があり、人によって何が美しいと感じるかは異なります。しかし、一般的に、次のような「比率」をもつものは美しいとされています。

「八頭身」とは

「頭身(とうしん)」は人間の身長と頭部の長さのバランスを指す言葉です。成人は通常、頭部1に対して身長6、つまり六頭身と言われています。最も美しいとされているのは、身長が頭部の長さの8倍である「八頭身」です。

「シンメトリー」とは

シンメトリー」とは、英語の「symmetry」に由来する言葉で左右対称という意味です。色や形、大きさなどのバランスを左右対称することで規則性や安定感が生まれ、視覚的な心地よさをもたらすので、アートやデザイン、建築物に取り入れられています。

「黄金比」とは

黄金比」とは、「縦横の比率が約1:1.1618」であることを指します。古代ギリシアで発見され、古来、歴史的建造物や美術品にも多く採用されてきました。黄金比が用いられている造形には次のようなものがあります。

  • ミロのビーナス
  • レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたモナリザの顔
  • 鹿苑寺金閣
  • パルテノン神殿
  • ピラミッド
  • 凱旋門(パリ)
  • サグラダ・ファミリア大聖堂(バルセロナ)

「黄金比」は、身近なところでは、名刺やカード、ハガキ、企業などのロゴ、写真の構図などにも見ることができます。

また、アートや建造物といった人工物だけなく、たとえば松ぼっくりや花びら、巻貝といった自然物にも黄金比が認められることがわかっています。


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