「根幹」とは?意味や使い方をご紹介

「根幹」(こんかん)。この漢字二文字は、とても親しみ深いですね。「根」と「幹」は私たちの身近にある「木」の大元をなす部分です。そこから「根幹」の意味をイメージできる方も多いことでしょう。今回は「根幹」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「根幹」とは?
  2. 「根幹」の使い方
  3. 「根幹」の類語

「根幹」とは?

「根幹」は、(こんかん)と読みます。木の「根」と「幹」の二文字で構成されているところからも、その意味はイメージしやすいのではないでしょうか。

「根幹」は、大きくわけて二つの意味をもちます。一つ目は、読んで字のごとく、そのままに植物の根と幹のこと。二つ目の意味は、物事の根本、大元、最も基礎となる重要な部分、根源、などです。

もちろん、二つ目の意味は一つ目の意味からの派生ですが、現代では「根幹」を「根と幹のこと」として使われることはほぼありません。

「根」と「幹」の意味

「根」の音読みは(こん)、訓読みは()。複数の意味を持つ漢字ですが、代表的なものを挙げると下のようになります。

  1. 草や木の根
  2. 事物の大元、よりどころ、事物の根本
  3. 物事に耐えうる気力
  4. 方程式の未知数の値
  5. (仏教で)知覚を生じさせるもと

「根幹」の「根」は2の意味で用いられていますが、その意味は、1の意味である草木の根に由来します。根は、基本的には地中(水中、空中の場合もある)に伸びている植物の器官のひとつで、水分や養分を吸収したり、植物の身体を支えたりする役割を担っています。

そこから、「根」という漢字が、事物においても最も大切な要素、全体を支える基礎という意味を持つようになったのです。

「幹」という漢字の音読みは(かん)、訓読みは(みき)。代表的な意味は以下の4つです。「根幹」で使われている「幹」の字は2番目の意味を表しています。
  1. 木の幹
  2. 物事の中心となる部分
  3. 中心となって取り仕切る(幹事/主幹)
  4. 物事を取り仕切る能力(才幹)

「根幹」の使い方

植物の器官としての「根幹」は、それそのままの使い方ですが、事物における「根幹」は実にさまざまなものを対象として用いられます。

注意すべきは、対象が人間であったり、組織、国、システムなどなんであれ、「根幹」が指しているのは、その事物そのものではなく、それらの内容や在り方である点です。

また、定型的な言い回しとして、「根幹がゆらぐ」「根幹をゆるがす」があります。ニュースや記事などで頻繁に登場しますので、しっかりと理解しておきましょう。

「根幹」の文例

  • 根幹がしっかりとしている樹木は、どんな暴風にあっても倒木することはない。
  • その記者のスクープは、政府の根幹をゆるがす一大疑獄の告発へと結びついた。
  • 多額の投資をした新製品の失敗で、A社の株は急落し、会社の根幹がゆらぐ事態となった。
  • 自他の心と身体を傷つける行為は、人間存在の根幹にかかわる、避けるべき第一のことだ。

「根幹」の類語

「根本」の意味と使い方

「根本」(こんぽん)は、次の二つの意味をもちます。①物事が成立する基礎、基盤となっているもの、大元。②物事の起源、始まった最初、元祖。「根幹」の類語としては、①の意味における「根本」です。

「根本」(ねもと)と読む場合は、「根元」とも表記し、意味は①植物の根、そのあたり②立っている事物の付け根のあたり③事物の大元、基本、という三つの意味があります。

「ねもと」と読む「根本」も、③の意味で類語たりえますが、ほとんどの場合、その意味においては「根本」(こんぽん)のほうが一般的です。

「根本」には、「根幹」とくらべ「幹」の字がないことからも、意味は「根底」に重点があることがポイントです。

【文例】かつてはスパルタ教育、現在は褒めて伸ばす教育へと、教育メソッドの根本は変遷してきた。

「根底」の意味と使い方

「根底」(こんてい)は、物事、考えなどの根本、大元となるところを意味します。「根本」同様に、「幹」の字がないぶん、物事の基盤、根本という部分に重点があるニュアンスです。

【文例】地球温暖化の根底には、人間至上主義という人類のエゴが深くかかわっている。


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