「信用」と「信頼」の意味
「信用」の意味
「信用」は、信じて用いるという漢字の通り、相手の言動などが信じられるものだと判断することを言います。具体的には「信用」の意味は、以下の通りです。
- 言動を確かなものと信じて受け入れること。
- それまでの行為や業績などから判断して信じること。また、世間における評判や価値。
- 現在の給付に対する対価の支払いを後日行うことを認めること。当事者同士の債権・債務の関係。信用取引。
一般的に用いられるのは1の意味、2や3の意味はおもにビジネスや金融用語として使われます。2や3については後述しますので、ここでは1について「信頼」との違いを見ていきましょう。
「信頼」の意味
「信頼」は、その漢字が表すように、信じて頼りにすること、あるいは、頼りになると信じることを指します。つまり、相手を高く評価して「信じられる」「任せられる」という気持ちを持つことです。
「信用」と「信頼」の違い
「信用」は「相手の言動を認めて受け入れること」ですから、相手の過去の実績や評価を踏まえて信じるか否かの判断をします。
他方、「信頼」は「信じる」にプラスして「この人なら大丈夫だろう」という期待が含まれています。そのため、「信用」の根拠でもある相手の過去の実績や評価はもちろん、外見や態度など直感的な判断材料や社会的地位が信じる根拠となることもあるのです。
このように、「信用」と「信頼」の大きな違いは、信じる根拠がどこにあるかだと言えるでしょう。
「信用」と「信頼」の使い方
「信用」の使い方
- 「私は相手の言葉を信用してみることにした。」
- 「会社の信用に傷をつけるような行為は、絶対に行わないでください。」
- 「一度失った信用を取り戻すのは簡単なことではない。」
- 「わが社は商品の質の良さでお客様の信用を得ることに成功しました。」
- 「彼は今回の一件で、世間から信用のおけない人物であるとみなされてしまった。」
「信頼」の使い方
- 「部長は部下の失敗を必ずフォローしてくれるので、社内で絶大な信頼を得ています。」
- 「私の友達は親の信頼に応えるべく、医学部への受験を決意した。」
- 「市長は不祥事を起こしたことにより、市民からの信頼を失った。」
- 「彼女は信頼していた彼に裏切られてしまい、ひどく落ち込んでいる。」
- 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」『日本国憲法前文』
「信用」を含む言葉
ビジネスや金融の分野において、上述の2や3の意味の「信用」は次のような言葉として使われています。
「信用力」
「信用力」とは、人から信用されている度合い、あるいは、人から信用を勝ち取る能力という意味を持つ表現です。クレジットカードやローンの審査、あるいは企業融資の審査の際に使われる個人や企業の過去の実績などを「信用力」と言い、金融機関等は重視しています。
「信用取引」
「信用取引」とは、証券会社が顧客に一定の委託保証金を預託させ、買付代金または売付株券を貸し付けることによって行わせる株券取引です。主にビジネスや金融用語として使われます。
「信用金庫」
「信用金庫」とは、信用金庫法に基づいて設立された協同組合の金庫機関で、信用金庫の利用者が会員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織です。主な取引先は、中小企業や個人です。
「信頼」を含む言葉
「信頼すべき筋」
「信頼すべき筋」は新聞などの報道でよく使われる言葉です。「信頼すべき筋からの情報によると」のような文脈には、「情報提供者がどこの誰かは明かせませんが、信頼できる関係者です。その人から得たこの情報は信憑性が高いですよ」という含みがあります。
「信頼度」
「信頼度」とは、判断、性能、行動について、信頼できる程度のことです。統計学では、推定すべき値が信頼区間にはいっている確率のことを意味します。
【例文】
新しいコンピュータープログラムの信頼度を確認するために、モニターを募集した。
「信頼性」
「信頼性」とは、商品やサービスが、通常要求される機能や質が安定して果たされる能力を意味する言葉です。
【例文】
日本の新幹線は、信頼性の高い高速鉄道だ。