「幾日」はどう読む?
「幾日」はどのように読むのが正しいのでしょうか。「幾」という漢字は「いく」「き」と読み、「日」は「ひ」「か」「にち」「じつ」と読みます。
このように複数の読み方ができる漢字が組み合わされた言葉は、読み方に迷うことも珍しくありません。「幾日」の主な読み方は以下のとおりです。
- いくにち
- いくか
- いっか(「いくか」が転じたもの)
さらに、文学作品などでは「いつか」「いくひ」「いくじつ」と読ませることもありますが、一般的には上記、特に「いくにち」と読まれることが多いようです。
「幾日」の意味
「幾日」は、「不明・不定量の日(数)」を示す言葉であり、具体的な意味は、以下の通りです。
- どれほどの日数かを問う語。
- 多くの日数。決まっていない日数。
- 月のどの日であるか、日付を問う語。
もし意味に迷ってしまったら、後で類語としてご紹介する「何日」と同じ意味として捉えて問題ありません。なお、「幾日」には複数の読み方がありますが、どれも意味は同じです。
「幾日」の使い方
「幾日」は、明確な期間は分からないがまとまった日数であることを示したいときや、明確な日付は分からないが特定の日を指したいときに使います。
ただし、「明確な期間は分からない」とは言っても、あくまでも数える単位が「日」ですから、あまりに長い期間を指す場合に使うのには適していません。1~2か月くらいを限度として使うのが無難でしょう。
例文
- あのときから幾日が経ったのだろうか。
- この作業が完了するまでに幾日かかるのか見当もつかない。
- お子さんが帰ってくるのは、10月幾日ですか。
「幾日か」と「幾日も」
「幾日」という言葉は単体で使われるだけでなく、「幾日か」「幾日も」といったかたちで使われることも多くあります。「幾日」の後に「か」と「も」のどちらをつけるかによって、「幾日」の与える印象は大きく変わります。
「幾日か」と「幾日も」の違い
「幾日か」は、それほど多くない日数を表すときに使います。一方で「幾日も」は、相当数の日数を表す表現です。どちらも具体的な日数の基準があるわけではありませんが、「幾日」だけでは不明だった日数の長短を、ある程度は伝えることができます。
【例文1】
- 家から出られない日が幾日か続いた。
- 家から出られない日が幾日も続いた。
【例文2】
- 幾日か留守にしていたので、ほこりが溜まっている。
- 幾日も留守にしていたので、ほこりが溜まっている。
「幾日」の類語
「幾日」は、明確でない期間を表すときに便利な言葉ですが、若い人たちにはあまり馴染みがないかもしれません。また、とても長い期間を表したいときに使うのも適さない言葉です。
「幾日」より長い期間が表現できる類語、世代の違いに関係なく理解しやすい類語をご紹介します。
幾年
「幾年(いくねん・いくとせ)」は、「幾日」よりもさらに長い期間である、年単位で定まっていない期間を表したいときに使います。また、暦上の定まっていない年を意味します。
【例文】
- 友人が旅立ってから幾年が過ぎただろう。
- あなたと私が出会ったのは、昭和幾年だったでしょうか。
何日
「何日(なんにち)」も、確定していない日数を表す言葉です。日常生活の中でよく使われるので、「幾日」よりも馴染みがあると感じる方も多いでしょう。
「何日」は、多くの日数が経過していることを表したいときや経過した日数を知りたいとき、日付のような特定の日を指すときに使います。
【例文】
- 私が日本を出発してから何日も経ってしまったが、まだ家族に連絡していない。
- このところずっと雨が降り続いているが、今日で何日目だろうか。
- 最近、日にちの感覚がなくて今日が何日だったか忘れてしまったよ。
累日
「累日(るいじつ)」も、何日も続くことを示す言葉です。「累」という漢字には「かさなる、かさねる」「しきりに」のほかに「わずらわす」といった意味があることから、「日を重ねることが好ましくない」というニュアンスを含ませて使うこともできます。
【例文】
- 累日に及ぶ激闘を制したのは我々だ。
- 特に何もしないまま、累日を過ごしてしまった。