「既定路線」とは?意味と使い方をご紹介

「既定路線」は、(きていろせん)と読みます。既に定まった路線、と言われても何のことか分かりづらいですね。「路線」をどう解釈するかがポイントですが、「方針」と置き換えることができます。今回は「既定路線」の意味と使い方を、文例を用いながらご紹介します。

目次

  1. 「既定路線」とは?
  2. 「既定路線」の使い方
  3. 「既定路線」の類語

「既定路線」とは?

「既定路線」(きていろせん)とは、以前から決定していることがらや、方針、方向性などのことを指す言葉です。また、その決まっていることそのものすでに確立されているものなども意味します。

まずは、「既定」と「路線」のそれぞれに分けて、意味を解説します。その意味がわかると、「既定路線」を誤りなく使いこなすことができるでしょう。

「既定」の意味

「既定」は、その漢字そのままに、既に定まっているということを意味します。「定まる」には「決定する」という意味があり、「既定」において定まる対象は、方針、計画などに加えて、人の運命のようなものも含みます。

また、「明らかになる、はっきりする」という意味もありますので、「既定」を、すでに明らかになっていることがら、はっきりと確立されたことがら、と理解することができます。

「路線」の意味

「路線」というと、路線バス、電車の路線情報など、交通機関において使われる「路線」がお馴染みですが、実は「路線」には「組織などの運動の基本方針や方向性」という意味もあります。

「既定路線」における「路線」は、組織や団体のみならず、個人なども含み、その方向性、将来や方針、またそれらへのプロセスなどを「路線」と表現し、それらがすでに定まっているものを「既定路線」と称します。

「既定路線」の使い方

「既定路線」という言葉の対象はさまざまです。国家や社会という大きな存在、会社や学校などの組織から人間個人にいたるまで、その将来や方針などを表現することができます。

活動する個人や組織、それらの集合体としての国家や社会のありかたなどで、その先行きがあらかじめ決まっている、あるいはかなり明確に予想できるものすべてについて使える言葉といえましょう。

裏を返せば、それ自体が活動、機能することのないもの(単なる物体)に用いることはできません。たとえば、「高級家具の既定路線は~」のように使うことは不可能であり、「高級家具をとりあつかうA社の既定路線は~」となれば使うことは可能です。

「既定路線」の文例

  • 少子高齢化社会を迎える日本が、現在の年金制度を維持できないのは既定路線といえよう。
  • 野球部の顧問だった教諭が校長となったのだから、野球部が甲子園を目指すのは既定路線だ。
  • 天才子役がのちに天才監督と巡り合ったのだから、既定路線で大女優が誕生したわけだ。

「既定路線」の類語

「予定調和」

予定調和(よていちょうわ)とは、おもに小説や演劇などの物語などにおいて、一般的に多くの人々がその展開や結末を予想するとおりのものになること、という意味です。

政治経済や社会全般の分野でも、同様に、大衆や関係者の予想に添った結論となることを指す場合があります。

予想、予定どおりの流れと結末、という点で「既定路線」の類語たりえますが、「既定路線」のような「事前に定まっている」というニュアンスはなく、あくまで周囲の多くの予想どおりというところは異なる点です。

【文例】昨日観た映画は、離散した家族がやがて再会をはたす、という予定調和的な結末で、あまり面白くなかった。


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