「関係各所」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「関係各所」という言葉をご存じですか。何かに関係するいろいろなところ、という意味かなと何となく思われそうですが、何の関係?各所って?「関係各位」とどう違うの?と、そんなことを考えそうですね。この記事では、「関係各所」の意味や使い方を例文を含めてご紹介します。

目次

  1. 「関係各所」とは
  2. 「関係各所」の使い方
  3. 「関係各所」と似た言葉

「関係各所」とは

「関係各所(かんけいかくしょ)」とは、ある事柄について関係のある企業、国や自治体の機関など複数の組織(場合によっては「個人」を含む)のことを指します。

この世の中では、何か一つのことを組織立って行う場合には、様々な組織との連携関係が必要になります。「関係各所」は、そのような連携関係にある組織を一まとめにしてあらわすときの表現です。

「関係」と「各所」の意味

「関係」には、下記のような意味があります。

  1. 二つ以上のものが、互いにつながりがあること。または、そのつながり。
  2. あるものが他のものに対して影響力を持っていること。または、その影響のこと。
  3. 人間同士のお互いの間柄。
  4. 性的な交渉をもつこと。

「各所」は、「あちらこちらの場所。いたるところ」という意味ですから、「関係各所」は「関係」の1の意味と「各所」を合わせて上記のような意味になります。

「関係各所」の使い方

「関係各所」は、例えば、何か大きな災害や社会を揺るがすような事件が発生したときに政府の対策本部の広報担当者が、記者の質問に対して「その件に関しましては、関係各所と協議の上、至急対処いたします」といった返答などでよく使われています。

他にも、ビル建設やリゾート開発などでは、許認可権限を持っている行政官庁や地元住民団体、さらには建設会社など多くの組織との連携が必要になりますから、そのような連携関係のある組織・団体をまとめて「関係各所」と呼ぶことがあります。

例文

  • 今度新しく建設する自社ビルの計画は、わが社のプロジェクトチームが関係各所と連携をとって順調に進んでいる。
  • 警察は、捜査に必要な関係各所の捜索差押令状を裁判所に請求した。
  • 国と関係各所が団結してプレゼンテーションを行った結果、オリンピック開催が実現した。
  • 猫カフェを始めようと思って脱サラしたが、行政の手続きをはじめ関係各所との交渉がこんなに大変だとも思いもしなかった。

「関係各所」と似た言葉

ビジネス文書などでは「関係者各位(かんけいしゃかくい)」とか「関係各位(かんけいかくい)」という表現をよく見かけます。

「関係各所」とどう違うのでしょうか。

「関係者各位」「関係各位」

「関係者各位」や「関係各位」は、あることに関係する複数の人それぞれに呼びかけるときに使う丁寧な表現です。何かを連絡する際、一斉に送る手紙やメールの宛名の部分に相手の名前の代わりに書いて使います。

また、講演会など大勢の人の前で話をするときの冒頭、あるいは最後に主催者や協力者に対して感謝の意を表すときや、本のあとがきなどにも使われることがあります。一般的には「関係者各位」のほうがよく使われているようです。

このことから、基本的に「関係各所」は「複数の組織」に対して用い、「関係者各位/関係各位」は「複数の人」に対して用いるという違いがあります。

なお、「各位」は、「各(ひとりひとり)」と「位(人に対する敬称)」を合わせて「みなさま」という意味を持っています。

「関係者各位/関係各位」の使い方

【連絡時の宛名の代わりとして】

関係者各位(関係各位)

拝啓 平素から格段のご高配(こうはい)を賜(たまわ)り、誠にありがとうございます。
さて、・・・。
 
関係者各位(関係各位)

拝啓 ○○の候 皆様におかれましては、益々ご清祥(せいしょう)のこととお喜び申し上げます。
この度、・・・。

【謝意の例文】
  • 最後になりましたが、この講演会を行うにあたってご協力いただいた関係者各位に深く感謝申し上げます。
  • この本を上程(じょうてい)するにあたっては、編集者をはじめ関係者各位のご協力の賜物(たまもの)であることに深く感謝の意を表したいと思います。
  • 「不十分な取材に基づく偏向報道だ」という投稿に対し、調査の結果、関係者各位及び読者に対する謝罪文が紙面に掲載された。


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