「巷間」の意味
「巷間」は、「世間一般・ちまた」という意味があります。世間一般とは、特別でない「一般的な社会」のことを指します。また「巷(ちまた)」は、「街の中の通り・世間」を表します。
「巷間」という言葉があまり聞きなれないのは、「巷」1文字で「巷間」の意味を補えてしまうからでしょう。「巷間」は、主に書類や書物などで引用されることが多い漢字です。
「巷間」を使った例文
「巷間」は、そのまま使われることもありますが、「巷間の噂では」や「巷間に伝わる話では」のような定型句として多用されています。
例文
- 巷間の噂によると私が贔屓にしている駅前のケーキ屋が今月末で閉店するそうだ。
- 巷間に伝わる話に暗い部屋で本を読むと視力が落ちるというものがあったが、科学的根拠はないらしい。
- 最近知り合いの娘さんを見かけないと思っていたら、巷間の噂ではアメリカに留学したらしい。
- 巷間で言われているように今年の花粉はとても厄介で鼻水が止まらない。
「巷間」を含んだ言葉
「巷間かまびすしい」
「かまびすしい」という言葉は、中々見聞きする機会が少ないのではないでしょうか。漢字で書くと「喧しい・囂しい」となります。意味は、「やかましい・騒がしい」です。
つまり、「巷間かまびすしい」とは、「世間があれこれと騒がしいさま」を表しています。世間では日常的に新しいニュースが飛び交っており、政界や芸能界など信憑性の有る無しに関わらず噂が蔓延します。その度に人々は喜怒哀楽を感じています。
【例文】
- 最近、巷間かまびすしいマラソンのシューズ問題だが、ある程度の厚底は認めるという判断が下されたようだ。
- 有名ミュージシャンの結婚発表に巷間かまびすしいが、はっきり言って興味が全くない。
- 国の管理体制について巷間かまびすしいが、結局は首相を始めとした内閣を信じるしかない。
「巷間話題」
「巷間話題」とは、「世間で話題になっている」ことです。この言葉は硬い文章に良く使われます。
【例文】
- 認めたくないが、巷間話題にのぼっているように、わが社の経営は不振に陥っている。
- 巷間話題に事欠かない女優さんだが、演技力の方は文句のつけようがないほど素晴らしい。
- 何かと巷間話題になり易いこの有名人は、今新しい事業を始めようとしているそうだ。
「巷間流布」
「巷間流布(こうかんるふ)」とは、「世間に広く知られること」という意味です。「流布」だけでも「世間に広まる」という意味を持ちますが、「巷間流布」という言いまわしが存在することも覚えておきましょう。
【例文】
- 大企業における裏金問題が巷間流布されたら、社会は大混乱に陥ることだろう。
- イケメン俳優と有名女優の不倫旅行が巷間流布されたことで、テレビ局は番組内容を編成しなおして放送した。
- 巷間流布されている童話と言えば、「シンデレラ」や「白雪姫」などが挙げられる。
「巷間」を英語で
「巷間」を英語で表現する場合、「街中の通りやご近所程度」に捉えるなら「in the neighborhood」で充分ですし、「世間」という広い範囲で捉えるなら「in society」が適しています。
【例文】
- This famous actress seems to be from the town where I live by rumor in neighborhood.(巷間の噂ではこの有名な女優さんは私の住んでいる街の出身らしい。)
- As people say in society,it was a warm winter this year,so it was convenient for me,who didn't like winter.(巷間で言われていたように今年の冬は暖冬だったため、冬が苦手な私には都合が良かった。)