「文明の利器」とは?
「文明の利器(ぶんめいのりき)」とは、文明が発達したことによって使えるようになった、便利な道具や機械のことです。「文明の利器」というひとまとまりで、慣用句のように用いられる言葉です。
「文明」とは?
「文明」とは、人類が作り出した高度な技術や、それによってもたらされた豊かな社会、生活の状況のことです。英語では、「civilization」と表します。
「文化」が、宗教や学問、哲学などの精神的な部分に対して使われることが多いのに対して、「文明」は、おもに科学技術の発展や、国家などの社会の整備によって得られる、経済的、物質的な部分を指す傾向があります。ただし、民俗学や社会学など、とる立場によって文化と文明の定義が異なることもあります。
文明を使った言葉には、次のようなものがあります。
- 文明開化
- 文明社会
- 世界四大文明
「利器」とは?
「利器」には、次のような意味があります。
- 鋭い刃物、武器。この場合の対義語は、「鈍器」。
- 使い勝手の良い、便利な機械、道具。
- 抜きんでた才能。
「文明の利器」という言葉では、2の意味で用いられます。「文明の力(ぶんめいのりき)」と書き誤らないよう留意しましょう。
「文明の利器」使い方
- 今度のボーナスで、思い切ってお掃除ロボットという文明の利器を買ってみようかな。
- 中学生の頃はスマートフォンを持てなかったので、初めてこの文明の利器に接したのは高校生になってからだった。
- 停電であらゆる電気機器が使えなくなって、いかに生活のあらゆる場面で文明の利器に頼り切っていたかを思い知らされた。
「文明の利器」英語での表現
「文明の利器」は、英語で次のように表します。
- machinery conveniences
- modern conveniences
【例文】The computer is the greatest of all modern conveniences.(コンピュータは、最大の文明の利器である。)
「文明の利器」スマートフォン
スマートフォンは、いまや誰もが持っているといっても過言ではない「文明の利器」。日本では、どのように生活に浸透しているのでしょうか。
保有率
2017年の総務庁の調査では、個人のスマートフォンの保有率は60%を超えていて、毎年増加の傾向にあります。とくに、20代での保有率が94.5%、30代では91.7%と9割を超えています。80代の人たちでは6.1%と少ないですが、それでも年々保有率は増加しています。
2019年の、「NTTドコモモバイル社会研究所」の調査によると、70代以上のシニア層でも過半数の人たちがスマートフォンを所有しているという結果も出ています。
いつから普及した?
2007年にアメリカ合衆国のApple社から初代のiPhoneが発表され、2008年には日本でもソフトバンクからiPhoneの発売が始まりました。翌2009年には、ドコモからAndroid搭載のスマートフォンが発売され、一気にスマートフォンの普及が進みました。多くの人がスマートフォンを所持していながらも、その歴史は10年ほどと浅いのです。
スマートフォンでできること
スマートフォンでは、次のようなことができます。
- 通話、メール
- デジカメ並みの写真が撮れる
- 音楽、動画が楽しめる
- ゲームができる
- 電子書籍で本が読める
- 地図アプリで道案内をしてもらえる
- SNSで世界とつながることができる
- お財布の代わりとして支払いができる
期間限定ですが、2019年10月1日の消費税増税に伴い、キャリア決済でポイントの還元があるなどお得なサービスも登場しています。便利なだけに、のめりこんでしまう可能性もあるスマートフォン。「文明の利器」として、上手に使いこなしていきたいですね。