場末の読み方と漢字
「場末」は正しくは「ばすえ」と読みます。「ばまつ」と読んでしまう方が多い熟語ですが、これは誤読なので注意が必要です。
「場末」の「場」はそのまま「場所」を指します。「末」は「端の部分」や、「つまらぬ物事」を意味する言葉なので、「場末」は「中心地からはなれた場所」という意味になるのですね。
場末の詳しい意味と使い方
「場末」という言葉は、もともとの町はずれの場所という意味よりも、流行っていない店を表すように使われることが多いです。項目を2つに分けて説明します。
町はずれの場所
場末は「町はずれの場所」を表す際に使われます。「場末」の「場」は人が多く集まる場を表し、中心地には飲み物や食べ物を提供する店舗が多いことから、酒場や飲食店などを形容することが多いです。
「場末のバー」・「場末のスナック」などのように用いられます。いわゆる中心地から離れた場所にある店のイメージですね。店主や従業員が「便利な場所にない」という意味で謙遜して話すこともあります。
【使用例】
- うちは場末のスナックなので、顔を見せていただけるだけでありがたいですよ。
- 場末のバーなので駅から遠くて大変だったでしょう。
流行っていない店
「場末」が中心地から離れた場所にあることから、客が入りにくい店舗であるという印象が強くなり、人の出入りが少ない店のことを表すようになりました。
現在「場末のバー」や「場末のスナック」などの言い方をする場合、流行っていない店を表す例も増えています。「場末感」というような使い方も見られます。「場末の店のような寂れた感じ」という意味合いです。
【使用例】
- ひなびた感じの場末のスナックで忘年会をした。
- 場末感が強い寂れた店だ。
場末の使い方NG例
店の人自らが、自虐的に、もしくは謙遜して「場末」と話す分には冗談で言っているとも取れますので問題ありません。しかし、「場末の店ですね」というように他の人が言ってはいけません。非常に失礼な意味を含んでいるので、相手を傷つけてしまうことがあるからです。
町はずれの場所という意味で使ったとしても、店主や従業員は廃れているという意味合いに感じられ、気分を害する恐れがあります。
中心地から離れた場所にあり知る人ぞ知る名店という意味を含んだ「隠れ家的な店」といったような言い換えの語句を使う方がいいでしょう。
場末の類語
【裏町】(読み:うらまち)
表通りに面している町の反対側にある、裏通りに面している街のことです。賑わう表通りに比べて、さびれている場所を暗示する意味で使われることもあります。
【使用例】
- 「裏町」という単語には哀愁が漂っているせいか、演歌の歌詞や題名にもよく使われている。
場末の対義語
【繁華街】(読み:はんかがい)
大規模な商業地や商店街を表します。特にデパートや専門店が入ったビル、飲食店などの食事やお酒をサービスする施設が多く、かなり大勢の人がいつも集まって賑わう場所をいいます。
【盛り場】(読み:さかりば)
歓楽街やネオン街とも呼ばれることがあります。繁華街と同じく人が多く集まる地域を表していますが、繁華街と比較するとスナックやバー、クラブなどの酒類をサービスする店が多いです。夜を中心に活気があり営業している店舗が多い地域というイメージで使われます。
【使用例】
- 大きな国際大会があった時、繁華街では人々が繰り出して大騒ぎするので交通整理が必要になる。
- 明日は休みなので、盛り場に行って大いに酒を飲むぞ。