「早晩」とは?意味や使い方をご紹介

「早晩」(そうばん)は、「遅かれ早かれ、いずれ」という意味をもつ言葉です。若い人の間ではあまり使わない表現かもしれませんね。しかし、文章上ではまだまだ使われている言葉です。そこで、今回は「早晩」の意味と使い方を類語とともにご紹介します。

目次

  1. 「早晩」とは?
  2. 「早晩」の使い方
  3. 「早晩」の類語
  4. 「早晩」まとめ

「早晩」とは?

「早晩」は、身近で理解しやすい漢字の「早」と「晩」で構成されていますが、見知っているゆえに、次のような意味であることはイメージしにくいかもしれません。「早晩」(そうばん)は、大きくわけて二つの意味をもつ言葉です。

  1. 副詞:遅かれ早かれいつかはきっと
  2. 名詞:朝と夕早いことと遅いこと

2の名詞の用法は、現代ではほとんど用いられません。おもに見聞きするのは、副詞として使われる1番目の意味の「早晩」です。

使われるといっても、「早晩」は頻出する言葉ではありません。しかし、年配の人の会話や文章、小説、ビジネスにおいてはまだ登場しますので、この機会に理解しておきましょう。

「早晩」の使い方

現代では用いられることがほとんどない上記2の「早晩」は割愛し、1の副詞としての使い方を紹介します。

基本的には「早晩、○○のような状況になるだろう」、というように使います。文章の構成として、予想されることを表す文章の前に「早晩」が置かれる、という点がポイントです。

また「早晩」は、その予想がただちに(早く)もしくは時間をへて実現する、という可能性を示していますから、あとに続く文章の内容は、早い・遅いの双方の可能性のある予想であることが条件となります。

「早晩」の文例

(A男)

近所にできたイタリアンレストランは、それほど味もよくないのにあまりに値段が高いよ。あれでは、早晩客足は遠のくな。

(B子)

あの人の飲酒の量は尋常ではないから、早晩アルコール依存症になるのではないかと心配しているの。

(C男)

鈴木君は、顧客のことを考えずに無理に商品を買わせていないかい?そんな売り方では、早晩顧客がみな離れてしまうぞ。

(D子)

あゆみちゃんは、服飾デザイナーになりたくて、この春アパレルメーカーに就職したの。あの才能なら、早晩新鋭デザイナーとして注目されると思うわ。

「早晩」の類語

「そのうち」

「そのうち」は、いつであるかはわからないけれども、それほど遠くはない将来に、という意味をもつ言葉です。実現するのが近い将来か遠い将来かわからない、時間的な幅があるという点で「早晩」の類語といえます。

【文例】あなたのように堅実な暮らしぶりで貯金もしているなら、新車を買うという夢はそのうち叶えられるでしょう。

「遅かれ早かれ」

「遅かれ早かれ」は、いつかはきっと・いずれは、という意味の言葉で、「早晩」に最も近い類語です。

【文例】外食三昧のうえに野菜嫌いという、こんなに栄養バランスの悪い食生活をしていたら、遅かれ早かれ健康をそこなうことになりますよ。

「遅からず」

「遅からず」は、そう遠くはない将来、という意味の言葉です。「早晩」にくらべれば、「近い将来」に重点があり、「遠い将来」は含まれません。

【文例】中村君の企画力と洞察力は上司たちに評価されているから、遅からず課長に昇進するのではないだろうか。

「早晩」まとめ

予想というものは当たることも外れることもあるわけですが、その点「早晩」は便利な言葉ではないでしょうか。

実現するだろうとは思う、けれどもそれが近い将来である可能性も、遠い将来である可能性もあるという時間的な幅を含ませることができる表現だからです。

少々堅苦しく古めかしい印象のある「早晩」ですが、表現を豊かにしてくれる言葉だといえるでしょう。


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