「業火」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「業火」と聞くと何を思い浮かべますか?仏教の地獄や大規模な火災でしょうか。あるいは漫画やアニメかもしれませんね。ここでは「業火」を紹介します。意味や使い方、由来、さらには「業」や「劫火」についても含めて説明します。

目次

  1. 「業火」の読み方
  2. 「業火」の意味
  3. 「業火」の使い方
  4. 「業火」と「劫火」
  5. 「業火」の「業」とは

「業火」の読み方

「業火」の読み方は「ごうか」です。「豪華」と同じで、「ご」にアクセントをつける頭高型です。

「業火」の意味

死者を苦しめる炎

「業火」とはもともと、死んだ後に罪人を苦しめる炎のことです。仏教では地獄はいくつもあると考えられていて、生前の罪の重さや種類によって、そのうちのどこかに振り分けられます。

地獄の中には火炎で死者を苦しめるものもあり、その炎を「業火」と呼びます。「業火」があるのは地獄の中でも特に過酷なもので、重い罪を犯した人を苦しめるための地獄です。

一例をあげるなら、無間地獄ともいわれる「阿鼻地獄(あびじごく)」や「叫喚地獄(きょうかんじごく)」などがそれに当たります。「阿鼻叫喚」という言葉の元になった非常に苦しい地獄です。

「業火」は普通の炎とは違い、何をしても消えないと言われています。地獄ではそんな炎が体中から発生し、全身を焼くと言われています。

悪人の破滅

上記のように「業火」は悪人を苦しめる、罰を与える炎です。そのため、生きている間であっても悪い人が罰を受けるかのように破滅していく様子を表すのにも使われます。

裁判によって法で裁かれるというよりは、巡り巡ってバチが当たり、自業自得で苦しんでいる様子です。人をだまして生きてきた人が逆にだまされたり、相手を引っ掛けようと仕掛けた罠に自分で引っかかるような状況を指します。

大きな炎

また、「業火」は単に大きな炎という意味でも使われます。工場での火災や山火事などでみられるような規模の大きな炎です。焚火のような小さいもの、しっかりと制御されているものは「業火」とは呼ばれません。

この使い方の「業火」には、悪人を罰しているという意味はないのですが、「業火」自体が地獄の炎を連想させる言葉です。無辜(むこ)の民、善良な人々が犠牲になった場面で使うと不謹慎とみなされてしまうかしれないので、注意しましょう。

「業火」の使い方

「業火」は「業火に焼かれる」や「業火に包まれる」という形でよく使われます。悪人の身の破滅ならこの用法が定番です。

「地獄の業火」という表現も多いです。「業火」はそもそも地獄の意味が重なっているのですがアニメや漫画では多用されています。

また、見栄えがするためか題名にもよく使われます。『名探偵コナン』の『業火の向日葵(ひまわり)』などは有名ですね。

「業火」の例文

  • 悪いことをしてはいけないよ。悪い人は地獄に落ちて、業火に焼かれて苦しむことになるからね。
  • 自分をこんな目に合わせたやつを業火の中に突き落としたい、そんな復讐心に満ちた目をしていた。
  • 業火に包まれたお城が崩れ落ちるのをただ眺めていた。

「業火」と「劫火」

仏教では「業火」の他にも「ごうか」と読む言葉があります。それが「劫火」です。「業火」は罪人を裁く大火でした。一方劫火」は世界が終わる時に全てを燃やし尽くす炎です。

仏教やヒンドゥー教には「劫」という時間の単位があります。世界がつくられてから終わるまでが「一劫」です。そして「一劫」の終わりには炎や水で世界が崩壊するとされています。この時の炎が「劫火」です。

「業火」の「業」とは

「劫火」の「劫」は時間の単位でした。では、「業火」の「業」はなんでしょう。この「業」は人間の行う行為や行動のことです。サンスクリット語の「カルマ」です。

「カルマ」や「業」には悪い行動や罪という印象をお持ちの方もいるでしょう。しかし、本来は良し悪しを問わずあらゆる行動のことを指します。「業を背負う」「自業自得の「業」も同じ意味です。


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