「変遷」とは?意味や使い方をご紹介

「変遷」(へんせん)は、時間の流れに伴い、物事の状況が移り変わることを意味する言葉です。類語も複数存在しますが、変化に要する時間の幅などの異なりをもつ場合もあります。今回は、「変遷」の意味と使い方を、類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「変遷」とは?
  2. 「変遷」の漢字の意味
  3. 「変遷」の使い方
  4. 「変遷」の類語

「変遷」とは?

「変遷(へんせん)」は、物事の状況が、時間の経過とともに移り変わることを意味する言葉です。

とはいえ、物事の種類や変化に要する時間のスパンによって、「変遷」を用いることが適さないケースもあります。小さな物事が相対的に短期間で変化する場合に「変遷」は使いません

例えば、タンポポの花が綿毛になることは、タンポポの変遷とは表現せず、タンポポの変化、などと言い表すのが普通です。しかし、もしタンポポという花の種族に、1000年を経てなんらかの大きな変化が続いたとすれば、タンポポという種の変遷と表現できます。

対象となる時間の経過はどれくらいのスパンか、という定義はありませんが、絶対的な時間の長さではなく、ある期間に当然でない本質的ないくつもの変化があり、それを1つの流れとして概観できる時に用いられる言葉です。

「変遷」の漢字の意味

「変遷」の意味をはっきり理解するために、「変」「遷」それぞれの意味を解説します。

「変」の字の意味

「変」は、音読みが「へん」、訓読みは「わる・える」。変化や変身などに用いられるように、別の状態になることを意味します。

「遷」の字の意味

「遷」は、音読みが「せん」、訓読みは「うつる・うつす」。こちらも変化を表しますが、元のところから物事が移り変わる・物事を移すという意味を持ちます。

歴史の授業などでおなじみの「遷都(せんと)」は、都を移すという意味ですし、会社の人事でショックを巻き起こす「左遷(させん)」は、前より低い地位や職位に人を移すことです。

「変遷」の使い方

「変遷」で対象となる変化のスパンは、ほぼ一瞬から、無限ともいえるほどの長さまで幅があります。そのさまざまな例の一部を挙げてみます。

  • 明治時代、多くの女性は日常着として着物を着ていたが、生活様式の変遷とともに、着物を着る女性の数は激減してしまった。
  • 地球上にはじめて微生物が誕生してから現在に至るまで、生き物の変遷は実に興味深いものがある。
  • この記事では数週間にわたる与野党の攻防を経て激動した法案の変遷を辿る。
  • 今日の計算機は1秒で1億世代以上ものライフゲームの変遷を計算することができる。

「変遷」の類語

「推移」の意味と使い方

「推移」は、時の流れにつれて、物事の状況が移り変わること、もしくは、時がたつことを意味する言葉です。

「変遷」と同じ意味をもちますが、注意すべきポイントは、「推移」は、「変遷」と異なり、単調な変化についても用いることができる点です。

  • この一か月において、A社の株価は堅調に推移している。
  • 10年前から現在までに日本を訪れた外人観光客の数の推移をグラフにしてください。

「変動」の意味と使い方

「変動」は、物事や状態が変化し動くことを意味する言葉です。変化するという点は「変遷」と同じといえますが、「変動」においては変化の時間の長さは関係ありません。

「変動」は物事の動き・変化に重点が置かれており、物事に動きがあれば、一瞬のスパンで1つの変化でも用いることが可能です。

  • 地球の陸地のかたちは、悠久ともいえる長い時間をかけて変動してきた。
  • 私の人生は、初恋の人と再会したその瞬間をもって、大きく変動した。

「変転」の意味と使い方

「変転」とは、状況や情勢が移り変わることを意味する言葉です。変化の時間は短期的な場合がほとんどであり、変化の状況には、激しさや急激さのニュアンスを含む場合が多くみられます。

  • A社では、経営悪化で社長が引責辞任をして以来、役員人事が目まぐるしく変転している。
  • 世界情勢の急激な変転で、株価も乱高下している。


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