「当人」とは?意味や使い方をご紹介

「当人」(とうにん)とは、話題になっているそのことの直接の関係者、すなわち本人を意味する言葉です。よく見聞きしますし、類語も複数存在しますが、微妙にニュアンスが異なる場合もあります。今回は「当人」の意味と使い方を、類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「当人」とは?
  2. 「当人」の使い方
  3. 「当人」の類語

「当人」とは?

「当人(とうにん)」とは、当事者、すなわち、話題になっていることに直接関係する者のことを意味する言葉です。

「当人」の「当」は、さまざまな意味をもつ漢字ですが、この場合は、「この、その、現在の、現在話題にしている」などの意味を表しています。「当人」以外、同じような意味では、当社、当日、当時、当方、などが挙げられます。

「当人」の使い方

「当人」は、自分で自分を指す場合には殆ど使われませんが、自分のことを客観視する言い方で、他者に自分の事情や立場を説明するさいなどに用いられるケースがあります。

これは、「客観的に見て当事者である」というニュアンスが、「私が」「自分が」などの一人称を用いるより強調される効果が期待できるからと推察されます。

他者に対して用いるときは、「当人」というと不躾に感じられてしまうことがあるため「ご当人」と丁寧な言い方をする場合も多くみられます。

文例

(A男)

俺が22日の営業予定を組んだんだよ。その当人が、訪問相手はミカド社の佐藤部長だと言っているんだ、間違いじゃないよ。

(B課長)

今回の計算ミスは、あの日残業していた山田君と鈴木君、君たち二人のどちらかしかないんだ。当人同士で解決しなさい。

(編集者C子)

今月号の表紙は女優の美穂さんですが、撮影の際のアクセサリーは、ご当人のご希望なので真珠をつかってください。

(母D子)

いくら雅子に合いそうな相手だからといって、当人の気持ちを聞かずに見合い話を進めるなんて、いくら父親でもだめよ。

「当人」の類語

「当事者」

「当事者」とは、起きているその事柄に、直接関係のある人のことを意味します。「当人」と同義です。

二番目の意味として、法律用語があります。ある法律関係において直接関与している関係者を指しますが、専門用語なので「当人」の類語とはなりません。

【文例】

  • 部内でパワハラがあったと聞くが、当事者は山本課長と中村君、この二人ということか?

「本人」

「本人」とは、起こっている出来事に直接的に関係をもつ人のこと、また、自身のことを指す言葉です。

「当人」との異なりは、「その人自身」を意味する部分です。「当人」にはその「私自身」という意味がないため、上記で挙げたような例を除き、自身を「当人」と言及することはありません。

たとえば、A社に「私当人が行きます」とはいえませんが「私本人が行きます」とはいえるのです。

【文例】

  • この旅は、私自身が行きたくて休暇をとったんだから、日数くらい本人の好きにさせてよ。
  • 鈴木君が相談があるというから来たのに、本人はいったいどこに行っちゃったんだ?

「当該者」

「当該者(とうがいしゃ)」の「当該」は、話題になっている事に直接関係することを意味します。したがって、「当該者」とは、話題などで言及されている条件に該当する者のこと、あるいは、申請などにおける本人のことを意味します。

「当事者」の場合、話題や起こっている事柄において、すでに関係している人物がいて、その人のことを指す場合に用いますが、「当該者」は、その場にその人物がまだ存在しない場合もあります。

たとえば、話題や出来事の当事者としての条件にあてはまる人がどこかにいて、その人を指して「当該者が見つかった」となるような場合ですね。

【文例】

  • 強いリーダーシップと、英語力がある人材が必要なんだ。至急、営業部のなかから当該者を二名選んでくれ。

「対象者」の意味と使い方

「対象者」とは、ある物事や話題において、その対象になる人のことを意味する言葉です。

【文例】

  • 今回の販売コンテストで、上位5名には、成績に応じて図書券が寄与されます。対象者は前に出てください。


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