「ぐう」とは?
一口に「ぐう」と言っても様々な意味・用法があります。ちなみに、上の写真は赤ちゃんが拳(こぶし)を「ぐう」にしているところです。代表的な「ぐう」をいくつか挙げてみます。
「ぐう」:意味
じゃんけんの「ぐう」
軽く意見が分かれたとき、じゃんけんで決めるというのは、よく見られます。「じゃんけん」とは、「3すくみ」の関係にあるものを、身振り手振りで表現する遊びです。
現在最もポピュラーなものは、片手で石(ぐう)、ハサミ(ちょき)、紙(ぱあ)のいずれかを出して、勝敗を決めるという形でしょう。
「ぐう」は拳を握って石の形を真似たもの。「ぐー」や「グー」と表記されることもあります。
【使い方】
- 母親はいつも最初にぐうを出すので、勝負にならない。
- ぐうは、石なのでハサミに勝てるが、紙には包まれてしまうので負けだ。
苦しい時の「ぐう」
ときには、先生や上司にこっぴどく叱られてしまうこともあるでしょう。正論すぎて弁解の余地もない。そんなときに使うのが、「ぐうの音(ね)も出ない」という言い回しです。
「徹底的にやりこめられて、一言も弁解・反論ができない」という意味の表現です。この「ぐう」というのは、苦しい状況においこまれたときに出す声、「うぐ…」「ぐぐ…」のような息や喉が詰まったときに出る音を表しています。
【使い方】
- 母親の言っていることは正論すぎて、ぐうの音も出ない。
- 犯人は証拠を突きつけられて、ぐうの音も出ないといった表情だった。
goodの「ぐう」
エド・はるみという芸人が「ぐう〜」というネタで大ブレイクしたことをご記憶の方もおられるでしょう。ちなみにこの「ぐう」とは、英語の「good」からきており、「素晴らしい」「いいね」など優れているものを称賛する気持ちを表します。
親指を立てて「ぐう(もしくは、グー)」で、「いいね!」のようなニュアンスで使われます。死語とまでは言いませんが、時代遅れ感は否めない表現です。
【使い方】
- 今日のファッション、ぐうだね!
- このバッグ、ぐうじゃない?
そのほかの「ぐう」
「ぐうかわ」
SNSなどで「ぐうかわ」といった言葉を目にしたことはないでしょうか。「ぐう」は「ぐうの音も出ない」の略です。
「ぐうの音も出ないくらいかわいい」ことを略して「ぐうかわ」と表します。「異論が出る余地もないくらい、めちゃくちゃかわいい」というニュアンスでしょうか。
【使い方】
- このわんちゃんの動画見て。ぐうかわなんだけど。
- 9月号見た?あのモデル、ぐうかわじゃない?
その他にも、「ぐう」を使った次のような言葉があります。
- 「ぐう蓄」:ぐうの音も出ないほどの畜生
- 「ぐう聖」:ぐうの音も出ないほどの聖人
「ぐうぐう」
「ぐうぐう」は擬音語の一つです。 寝ている時のいびきの音や、お腹がすいた時に鳴る腹の音を表す言葉です。前者の場合、実際にいびきをかいていなくても、よく眠っている時にも使われます。
【使い方】
- 遊び疲れたのか、ぐうぐうと眠っている。
- 朝から何も食べてないので、お腹がぐうぐう鳴っている。
ぐうたら
ぐずぐずしていて働く気力のない様子や、なまけ者のことを表す言葉として、「ぐうたら」という語があります。家でゴロゴロしてばかりの「ぐうたら亭主」は、奥さんの怒りを買っているかも知れません。
愚かなことを表す「愚(ぐ)」の音が伸び、「たるむ」という言葉とくっついて、「ぐうたら」になったといわれています。愚かでたるんでいることという意味から、怠けている様子を表すようになりました。
【使い方】
- リビングでぐうたらしてないで、部屋の掃除でもやりなさい。
- ぐうたらする癖は、いったん身につくとなかなか抜け出せない。