「ぐうの音も出ない」の意味と使い方
「ぐうの音も出ない」(読み:ぐうのねもでない)の意味は、相手に徹底的に、完全にやり込められて「一言の弁解もできない様子」、「反論する言葉が一音も出てこない状態」です。完膚なきまでに細かい所まで突っつかれて何も言えなくなることを表しています。
【使用例】
- 奥さんから浮気の証拠を突きつけられて、ぐうの音も出ない状態になったらしい。
- 探偵がアリバイの矛盾を指摘したため、容疑者はぐうの音も出ないようだ。
- 出席者からぐうの音も出ない、完璧な論文だった。
そもそも「ぐうの音」とはどのような意味の音?
「ぐうの音」の「ぐう」とは、人のうなり声の音を字で表した「擬声語」(ぎせいご)の一種です。のどが詰まったときのうなり声や、体を押さえつけられて息苦しい時に出すうめき声を「ぐう」という語句で表していると考えられています。
「ぐうの音も出ない」で、相手からやり込められた時にうなり声やうめき声を出せないくらい、反論できずに追い込まれている状態を示しているようです。
「ぐうの音も出ない」から派生したネット用語
「ぐうの音も出ない」を「ぐう」という形で縮めて、その後に語句を入れたネットスラングも多く作られています。「反論できないくらい~だ」、「返す言葉がないくらい~である」という意味で、ぐうの後に続く言葉を強調するために用いられます。
【ネット用語例】
- 「ぐう正論」反論できないくらいの的確な正論・反対意見を述べる余地もない理論
- 「ぐうかわ」返す言葉もないほど可愛い・とても可愛い
「ぐうの音も出ない」類義語
「ぐうの音も出ない」の類義語「ぎゃふん」は副詞です。意味は「相手の言ったことに負かされて、反論を言い返せない状態になってしまう様子」です。多くは「ぎゃふんと」のように後ろに「と」という接尾辞が付けられます。
驚きの叫び声の「ぎゃ」と、承知したことを表す「ふむ」が言いやすいように変化した「ふん」で構成されています。相手の正論に驚いて、認めることしかできない様子を表しています。
【使用例】
- 彼女の一言がショックだったようで、彼はぎゃふんと参ってしまった。
- ライバルにぎゃふんと言わせてやりたい。