「遵守」とは?意味や使い方をご紹介

「遵守(じゅんしゅ)」とは、法律やモラル、規則などを守ることを意味します。「順守」と書く場合、同様の意味でありながら、若干のニュアンスの差もあります。契約書などにも用いる「遵守」の理解は、社会生活上有益です。今回は「遵守」を詳しくご紹介いたしましょう。

目次

  1. 「遵守」とは?
  2. 「遵守」と「順守」の使い方
  3. 「遵守」の類語
  4. 「遵守」の対義語
  5. まとめ

「遵守」とは?

「遵守(じゅんしゅ)」とは、法律や規則、モラルなどに従い、守ることを意味する言葉です。日常会話ではほとんど耳にしませんが、公用文や契約書、新聞、ビジネスシーンでは頻繁に登場します。

「遵守」とほぼ同じ意味で用いられる「順守」という言葉も存在します。「遵守」と若干ニュアンスが異なる部分については、後述いたします。

「遵守」の漢字の意味

「遵」は、事物・身分などが尊い、貴重である、という意味があります。いっぽうの「守」は、身体や身分などを守る、という意味です。

この二つの意味を重ねることで、「貴重な事物を守る」→「規律、法律、道徳などを守る」という意味に転じました。

「遵守」と「順守」

「遵守」と「順守」という二つの表記が並び立っている背景を解説いたします。

もともと存在していたのは「遵守」のみでした。しかし昭和29年、「遵」の字が当用漢字表から外される候補となり、この際、日本新聞協会は、「遵守」の代わりに「順守」を用いることで統一しました。

結果として「遵」の字は当用漢字として残ることになったのですが、新聞では「順守」が用いられたため、「遵守」と「順守」、二つの言葉が社会に存在することとなりました。

大まかな区別として、公文書、公用文、契約書や法令などでは「遵守」が使われ、新聞記事には「順守」が用いられる傾向があります。一般的な用法では、どちらの言葉も使うことが可能です。

「遵守」と「順守」の使い方

上記のように、「遵守」はオフィシャルな規約や契約、ビジネスの場で用いられることから、守り従うことへの厳しさが含まれます。いっぽう「順守」は、やや厳しさが薄れているニュアンスをもちます。

例文

  • 当社ご入社にあたり、就業規則遵守についての誓約書のご記入とご提出をお願い申し上げます。
  • 昨今、企業の法令遵守「コンプライアンス」は、一般の人々も見聞きする言葉となった。
  • 鈴木氏は道路交通法を10年以上遵守し通している優良ドライバーだ。
  • A新聞に「労働三法の順守」についての特集記事が連載されている。
  • 当社のスペースシャトル体験ゲームを楽しんで頂くために、参加の皆様にはルールの順守をお願い申し上げます。

「遵守」の類語

準拠

準拠(じゅんきょ):すでに存在する規則、基準などをよりどころとして従うこと。

文例:伝統ある当校の生徒は、校則に準拠しつつ、充実した学生生活を過ごすべく励んでほしい。

コンプライアンス

コンプライアンス:企業が法令や規則を守り、公正に業務を行うこと。法令遵守。

文例:かつては、男性上司が女子社員の身体にふれたりすることが横行していたが、今は、セクシャル・ハラスメントとして、コンプライアンス違反で訴えられる可能性もある時代となった。

「遵守」の対義語

違反

違反:契約、規範、協定、法規などに背き、従わないこと。

文例:当サークルの規約に違反した会員は、その内容によって一か月から二カ月の謹慎処分が下される。

 

不遵守

不遵守:規則や契約などに従わないこと。

文例:就業規約の不遵守が重なる社員においては、当社との雇用契約を破棄する場合があることを通達いたします。

まとめ

一般的な会話などでは登場することの少ない「遵守」ですが、昨今は「法令遵守」を意味する「コンプライアンス」という言葉が流行語のように取りざたされています。

これは、パワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメントをはじめとして、企業における法令遵守のありかたが、白日の下にさらされやすい時代に変化してきたからであると考えられます。

権力のもとに弱者が虐げられるような事例がなくなり、社会がさらに改善していくためにも、さまざまなルールの遵守がいっそう進んでほしいものですね。


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