「重複」の意味と使い方
「重複」(本来の読み:ちょうふく/慣用的な読み方:じゅうふく)とは、同じ物事が2つ以上重なることを言います。
【使い方】
- あなたの説明は、内容が重複していて回りくどい。
- 記事の冒頭と3つめの段落は重複しているよ。すぐに書き直して。
- A君とBさんのレポートの文章が重複している。どちらかがコピーしたことになるね。
- Excelで重複したデータを削除した。
「重複」の字義
「重」の字義は、ある物の上に同じ種類の物が乗って合わさること、ある物事が起こった時に同じようなことが加わることです。「複」の字義は、2つで1組になる物・2つ以上から成り立つ物事です。
「重複」の本来の読み方
「重複」の読みを『「ちょうふく」というのは間違いでは?』、『「じゅうふく」と学校で習ったのに。』と思う方もいるかもしれません。しかし本来「じゅうふく」は誤った読み方なのです。
現代では誤読がが広まり、多くの人に使われるようになったために、両方とも認められるようになったということです。
一般的に使われる熟語では「重」を「ジュウ」と読むものが多いため、「じゅうふく」と読み間違えられるようになったのではと考えられています。
「チョウ」・「ジュウ」読みと意味の違い
「重」が熟語に使われる時には、「チョウ」もしくは「ジュウ」と読むことがほとんどです。例外もありますが、読み方によって大きく2つの意味合いに分けられます。
「チョウ」と読む熟語
「重」を「チョウ」と読む熟語には、重なる・相手を重んじて大事にする・人目をはばかることを表す傾向があります。
「重複」はもちろん、相手に敬意を持って大切に扱う「尊重」(そんちょう)や「丁重」(ていちょう)、自ら慎み深く振る舞う「自重」(じちょう)や「慎重」(しんちょう)などが好例です。
「ジュウ」と読む熟語
一方、「ジュウ」と読む熟語には、重いこと、重みを持つことを表すものが多々あります。
「重力」(じゅうりょく)や「重量」(じゅうりょう)、どっしりとした重々しさを表す「重厚」といった単語もありますね。重みを持つという意味では、「重要」(じゅうよう)もあげられます。
「重複」以外の間違った読みが認められている語句
「重複」と同じように間違った読みが広まってしまった熟語も多いです。一部ではありますが、誤用が認められている例を紹介します。
【熟語の読み方の例】
- 代替(本来の読み:だいたい)…「だいがえ」も可。他の物で代わりをすること。
- 早急(本来の読み:さっきゅう)…「そうきゅう」も可。急を要すること。
- 世論(本来の読み:せろん)…「よろん」も可。世間の多数を占める意見のこと。