「審美眼」:意味
「審美眼(しんびがん)」とは「美を識別する能力」のことで、美しいもの、価値のあるものを見分けることのできる目(眼)を表す言葉です。
主に、見た時の美しさを的確に見極める能力のことを指していましたが、その意味から転じて、美しさを見定める他にも、価値のあるものを見出す力のことを意味するようにもなりました。
審美:意味
「審美」という言葉には「美を識別すること」「美醜を見極めること」という意味があります。本来は、自然や美術などのアートがもつ本当の美しさを的確に見極めることという意味がありましたが、今ではあらゆる対象の美に対して使われています。
「審判」「審議」などにも使われる「審」という字は「はっきりと見分ける」「明らかなさま」という意味があります。「美」という字には「見ていて心を打つ」「立派」という意味があり、哲学的には、真や善とならぶ最高価値の一つとされています。
「審美」はその二字が組み合わされた熟語で、「美をはっきりと見分ける」という意から「美の本質・現象を識別する」ということを表します。
「審美眼」:使い方
審美眼を持つ
「審美眼を持つ」とは「美しいものを識別する能力を持っている」という意味で使われます。磨くことで、養われた眼識を持っているということを指しています。
【使い方】
- 雑誌で引っ張りだこの彼女は、女性ならではの審美眼を持ち、大変人気がある。
- この絵画が素晴らしいものなのか、私には判断できるほどの審美眼を持っていない。
- これを選ばれるとは、なかなかの審美眼をお持ちですね。
審美眼を磨く
「審美眼を磨く」は「美しいものを識別する能力を高めていく」という意味で使われます。
能力を高めるためには、見る目を養うことが大切です。日頃から美しいものや、心打つようなアートなどに触れる機会を増やして、物の本質を見抜く目を肥やしていくという表現です。
【使い方】
- 風景画の審美眼を磨くために、絶景と評判の場所を多く訪れた。
- 鑑定士は正しい鑑定のために、日々審美眼を磨くために勉強を重ねている。
- 審美眼を磨くためにはどのようなことをしたら良いだろうか。
「審美眼」:類語
- 目利き(めきき)…書画・刀剣・器物などの真偽やよしあしを見分けること。人の性質・才能などを感得する能力があること。
- 鑑識(かんしき)…物の価値・本質を見分ける見識。美術工芸品の真贋(しんがん)・価値などを判定する眼識。
- 鑑賞眼…芸術作品を深く味わい、その価値などを明らかにし得る能力。アートの美を識別する能力としての意味は審美眼と同じ。
- 洞察力…物事を深く鋭く観察する能力。
- 判断力…正当な判断を下しうる能力。
「審美眼」:まとめ
2019年7月に亡くなったジャニー喜多川さんは、数々の人気男性アイドルをプロデュースしたことで有名です。
独自の審美眼でタレントを見いだし、一代でジャニーズ事務所を築いた彼には、まさに「美を識別する能力」があったといえるでしょう。彼にはメンバー達の見た目の美しさだけでなく、光る価値を見分けることができていたのでしょうね。
審美眼には、もってうまれた天性のような感覚的要素もありますが、経験を蓄積して養っていくものもあります。
自分が好きなことや、仕事にして来たことなど、情報や知識に触れ合うことでその分野は磨かれていきます。それが、自分の目を審美眼へと磨くことになるのです。