「うったて」の意味は?
書道の授業など、筆で文字を書くとき、はじめに「グッ」と押すようにして筆を置き、そこから書き始めますね。
筆が紙面に触れてから筆が動き出すまでの筆運び、つまり「筆起こし」のことを、岡山・香川・徳島の方言で「うったて」と言います。書道のときには、「うったてが大事ですよ」のように用いられています。
また、「うったて」には「物事の始め」という意味もあります。例えば、「話のうったて」は、話し始めのことです。
岡山・香川・徳島では、多くの場合、「うったて」が書道用語、標準語だと認識されています。だから、進学や就職などで初めて県外に出たときには、非常に驚くそうですよ。
「うったて」を標準語では何という?
方言である「うったて」を標準語で表すとどんな言葉になるのでしょうか?「うったて」は標準語では「起筆(きひつ)」と言います。「起筆」は書道でも使われる言葉です。
「起筆」には、筆起こしという意味と、文章の書き始めという意味があります。美しい文字や文章を書く上で、「起筆」は非常に重要です。なお、「起筆」には「物事の始め」という意味はありません。
「うったて」の使い方
書道の場面では
- 綺麗な字を書くためには、うったてを意識しましょう。
- うったてが弱いので、もう少し力を入れて書くといいよ。
書道以外の場面では
「○○のうったて」以外にも、「第一歩を大事にするべきだ」という意味で、慣用句的に「何事もうったてが肝心」「物事はうったてが大事」のように用いられます。
- 話のうったてに結論を持ってきた方がいいかもしれないね。
- 何事もうったてが肝心だから頑張ろう。
- 新規の企画だから慎重に行こう。物事は打った手が大事だ。