「考察」とは?意味や使い方をご紹介

研究分野やビジネス分野では、論文やレポートなど、「考察」を求められることが多くあるでしょう。文字通り解釈するなら「考えて察すること」ですが、論文などではそれ以上に求められるポイントがあります。今回は「考察」に意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「考察」とは
  2. 「考察」の位置づけ
  3. 「考察」の類語
  4. 論文やレポートにおける「考察」の関連語
  5. 「ネタバレ考察サイト」とは

「考察」とは

「考察」の意味

「考察(こうさつ)」とは、「物事を明らかにするために、十分に考えること」を表す言葉です。「考えて察する」と書きますが、論文やレポートの「考察」には、ある事柄ついてどのような根拠からその考えに至ったのかという過程が求められます

例えば、ある商品の売り上げが急に伸びた原因として、ただ「時代が来たから」と言うのは考察ではありません。

その商品に関するツイートがバズった、その商品のアレンジ方法などを投稿する人が増えた、他社の類似品が存在しないなどの調査結果や事実に基づくデータに裏付けられて、はじめて「考察」と言えるのです。

「考察」の使い方

「考察」は、学生時代のレポートや論文だけでなく、ビジネスシーンでも用いられる言葉です。「考察」あるいは「考察する」というかたちで使います。

【例文】

  • 先輩の深い考察には感服しました。
  • 考察は感想を書くところじゃないぞ!
  • ハラスメントの問題については、さらに深く考察する必要がある。
  • あらゆる面からゴミ処理問題を考察する。

「考察」の位置づけ

考察は下でご説明する通り、調査や実験などによって得られたデータを整理し、解釈して、最終的な結論へ導く役割があります。

【結果】調査や実験から生じた状態、それらの行程を記録したもの。

【考察】結果が得られた理由について、論理的に自分の考えを述べるもの。

【結論】論じ詰めた末に、最終的な意見をまとめるもの。

説得力のある論文やレポートにするためには、「考察」は重要なセクションです。結果から考察、考察から結論という流れは常に意識しておく必要があるでしょう。

「考察」の類語

「十分に考える」という観点から「考察」の類語には、次のような言葉が挙げられます。

  • 考量(こうりょう):他のこともよく考えに入れて測ること
  • 再思三考(さいしさんこう):二度三度と念入りに考えること。
  • 塾考(じゅっこう):よくよく考えること。
  • 千思万考(せんしばんこう):いろいろと念入りに考えること。

しかし、レポートや論文において「考察」に求められるような客観性のニュアンスは、これらの言葉には含まれていません

論文やレポートにおける「考察」の関連語

「考察」とは意味が異なる言葉ですが、論文やレポートなどにおいて「考察」と混同しやすい関連語には、次のような言葉があります。

見解

「見解(けんかい)」とは、物事に対する見方・考え方、または解釈や評価の仕方という意味です。「○○について考察した上で、見解を明らかにする」という言い方をするように、「見解」は結論に近いニュアンスがあります。

所感

「所感」とは、事に触れて心に感じた事柄・感想を表す言葉です。フィーリング、手応えのようなニュアンスですから、主観を含んでいても問題ありません。

しかし、ビジネスの現場などで「所感」を求められる場合は、感想だけでなく今後につながるような反省や改善点などについての意見も求められていることは心に留めておく必要があるでしょう。

「ネタバレ考察サイト」とは

昨今、ネット上に、人気漫画や小説、アニメ、映画などの「ネタバレ考察」というタイトルのサイトや記事が多く存在します。真犯人や次に殺される人、あのシーンは次のこんな展開への伏線ではないか、このシーンは別作品へのオマージュではないかなど、考察の内容は様々です。

「犯人はAだと思うよ」と言うだけなら単なる予想ですが、今までの事実から推理を働かせて導いた答えなら考察と言えます。それだけに、ストーリーのネタバレも含みますし、考察した犯人がズバリ的中していたらそれ自体もネタバレになってしまいますので、閲覧には注意が必要です。


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