「エージェント」とは?意味や使い方をご紹介

「エージェント(agent)」といえば『007』シリーズのジェームス・ボンドや『キングスマン』シリーズのエグジーを思い浮かべる方も多いでしょうか。しかし、「エージェント」には諜報員のほかにも意味があります。今回は「エージェント」の意味や使い方を解説します。

目次

  1. エージェントとは
  2. 1.エージェント(代理人)
  3. 2.エージェント(スパイ)
  4. 3.[IT用語]エージェント

エージェントとは

「エージェント」とは、英語の「agent」に由来するカタカナ語で次のような意味を持つ言葉です。それぞれの意味や使い方については後述します。

  1. 代理人。代理業者。仲介者。
  2. スパイ。諜報員。
  3. [IT用語]状況に応じて利用者の意図に沿った一連の作業を自動的に行うコンピュータシステム

1.エージェント(代理人)

エージェント(代理人)とは

代理人という意味で用いるエージェントとは、本人から委任された代理権限の範囲内で、本人に代わって取引や契約などの法律的な業務をこなす人のことです。なお、日本語訳においては、本人から与えられている権限が小さい場合は「仲介者」、権限が大きい場合は「代理人」と呼び分けることがあります。

著作権エージェント

著作権エージェント(literary agent)は、著作権者の代理人で、出版社に著書を紹介したり、契約や著作権の管理を代行する人のことです。編集者(編集プロダクション)と違って、著作権エージェントは作品の内容には関与しません。

日本では、著者が出版社の編集者と直接やり取りをして契約にこぎつけるのが慣例であり、欧米のような代理人は存在していませんでした。しかし、近年は、出版社の編集者が独立して代理人業に転行するケースが増えています。

タレント・エージェント

タレント・エージェント(talent agent)とは、俳優や映画監督、脚本家、プロデューサなどの権利を代行する人で、著作権エージェントと同じような業務を行います。

ハリウッドなどではタレント・エージェントは、俳優などのマネージメントは行わないので、エージェントとマネージャは別々の職業です。一方、日本の芸能プロダクションのマネージャは、ハリウッドで言うエージェントとマネージャを合わせたような仕事です。

スポーツ・エージェント

スポーツ・エージェントは、プロスポーツ選手の代わりにチームと契約交渉を行う人のことです。代理人契約を結んだ選手をチームに売り込み、入団・移籍、契約金などを交渉。契約が成立すれば、契約金などの資産管理をしたり、日常生活のサポートを行う場合もあります。

転職エージェント

転職エージェントとは「人材紹介会社」「人材バンク」のことで、厚生労働大臣から認可を受けて職業紹介や斡旋を行う業務を行っています。

一般的に、転職エージェントは、転職希望者(求職者)の代理として、求人情報を提供したり、面接の段取りをつけたり、雇用条件をまとめるなど、転職活動全般を無料でサポートしてくれます。

旅行エージェント(旅行エージェンシー)

エージェンシー(agency)はエージェントから派生した言葉。エージェンシーにも代理人の意味がありますが、日本語では「代理店」と訳されます。

旅行エージェンシー(travel agency)は、旅行代理店のことで、客に代わって交通・宿泊などの旅行商品を企画・実施したり、仲介販売する会社のことです。旅行エージェンシーは、旅行業者、旅行斡旋業者などとも呼ばれます。

エージェント(代理人)の使い方

  • エージェントに最も必要なのは、代理を任せてくれる人との信頼関係だ。
  • 無名の作家の作品でも、著作権エージェントによってヒット作品になることがある。
  • 日本で、アメリカのようなタレント・エージェント形態を導入するのは、なかなかハードルが高そうだ。
  • メジャーリーグのスポーツ・エージェント、トニー・アナスタシオはイチロー選手の契約代理人だったことでも有名だ
  • 終身雇用の時代ではなくなってきたから、転職エージェントの利用者も多い。
  • 近年はネットの普及で実店舗を持たない旅行エージェントが利益を伸ばしている。

2.エージェント(スパイ)

エージェント(スパイ・諜報員)とは

エージェントにはスパイや諜報員といった意味がありますが、主に、政府や警察組織、諜報機関に所属して、職務としてスパイ行為・諜報活動をしている人を指します。

例えば、FBI(米国の連邦捜査局)やNCIS(米国の海軍犯罪捜査局)などの捜査機関から認められた特別捜査官や、CIA(米国の中央情報局)やFSB(ロシア連邦保安庁)などの情報機関に採用されて、その機関のために活動する諜報員や工作員などがこれに相当します。

スパイと諜報員

エージェントにはスパイと諜報員と2種類の訳がありますが、この2つはどう違うのでしょうか。英語では、敵の諜報員のことをスパイ(spy)、味方の諜報員のことをエージェントと呼んで区別しているようです。

また、CIAなど政府の情報機関に正式に所属している職員をインテリジェンスオフィサー、インテリジェンスオフィサーの協力者(現地で情報収集などをする人)のことをエージェントと区別して呼ぶこともあります。

エージェント(スパイ)の使い方

  • 『007』シリーズの主人公ジェームス・ボンドはMI6(英国情報局秘密情報部)のエージェントだ。
  • 実際のエージェントというものはボンドのような派手さとは無縁らしい。

3.[IT用語]エージェント

IT用語のエージェントとは

IT分野で用いられるエージェントは、ユーザや他のプログラムの代理として、ある程度自律的に振る舞い、活動し続けるソフトウェアのことです。ソフトウェアエージェント(softwere agent)とも呼ばれ、実用化されているものは「ロボット(ボット)」や「アシスタント」称されることもあります。

エージェントはオブジェクトに対する言葉で、オブジェクトは、ユーザの操作など外部から命令を受けて起動しますが、エージェントはユーザがいちいち命令しなくても自律的に判断して処理を行うものです。

また、分野によっては、システムに常駐するソフトウェア(UNIX系のDaemonなど)や、ユーザの代わりに外部と通信して目的を遂げるソフトウェア(Webブラウザ、Eメールサーバ、クライアントなど)を指してエージェントと言っています。

エージェント(ソフトウェアエージェント)の使い方

  • ソフトウェアエージェントは、AI(人工知能)の発展により、さらなる機能の向上が見込まれている。
  • ソフトウェアエージェントによって、システムの性能や信頼性を高めることができる。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ