「アプローチ」とは
「アプローチ」は英語の「approach」に由来するカタカナ語で「近づくこと・接近」という意味です。ここから派生した様々な意味や使い方について、ご説明します。
アプローチ:ある目的で人に接近する
アプローチには「ある目的のために人に近づくこと」「親しくなろうとすること」という意味があります。日常生活においては、好意を抱いている相手に声をかけてみるような場合で、「言い寄り」「働きかけ」という言い方もあります。
また、ビジネスにおいては、客や取引先と商談ができる状況にもっていくなどの行為がアプローチに相当し、「申し入れ・申し出・打診・提案」とも言い換えられます。
アプローチ(ある目的で人に接近する)の使い方
- 気になっていた隣のクラスの生徒にアプローチする。
- 彼は見込み客へのアプローチが上手だから見習いたい。
アプローチ:対象に迫る方法
アプローチには「(学問・研究などの)対象に接近すること」「対象への接近の仕方」、また「研究法」という意味もあります。
書物を調べたり、実験をしたり、人と議論することもアプローチですし、思考や考え方といった頭の中での情報処理もアプローチと言えます。
アプローチ(対象に迫る方法)の使い方
- 彼女はその問題に歴史的な観点からアプローチした。
- 研究がうまくいかない。どうやら別のアプローチが必要なようだ。
建築における「アプローチ」
建築分野において、アプローチは「道路や広場から個々の建物への取り付け道路のこと」です。一般住宅の場合は、道や門から玄関に至る通路、マンションの場合は、一階の入り口付近のスペースを指すこともあります。
建物へとスムーズに誘導するため、植木や花壇、曲がった通路などを経て玄関に入るような作りが多く、道路と敷地とに高低差がある場合には階段やスロープを設置します。
建築分野における「アプローチ」の使い方
- あの教会のアプローチは四季折々の趣があって、いつ訪れても楽しめる。
- 都心の狭小住宅でもアプローチを工夫することはできる。
スポーツ分野における「アプローチ」
スポーツ分野でのアプローチとは、「目的達成のための布石となる動作」や「要となる動作の一歩手前の動作を行う区間(時間)」を指しています。
いくつかのスポーツについて、アプローチとは具体的にどういうことなのかをご説明していきます。
ゴルフの「アプローチ」
ゴルフ用語のアプローチとは、「グリーン周りからカップに寄せるためのショット」のことで、「寄せ」とも言われます。アプローチの目的はボールをカップに入れることではなく、カップに近づけることです。
陸上競技やスキー競技の「アプローチ」
スキーのジャンプ競技や陸上の走り幅跳び、走り高跳び、ハードル競技などにおいては、「スタート地点から踏切位置(または1台目のハードル)までの区間」のことをアプローチと言います。
テニスの「アプローチ」
テニスにおいて、アプローチ(アプローチショット)とは、「ネットに詰めてボレーをするための布石となるショット」のことです。
相手が打ったボールを深い位置に打ち返すことによって、自分がネット際に出る時間を稼ぐことができ、ボレーのチャンスが生まれます。アプローチは決定打ではなく、決定打の一歩手前のショットです。
スポーツ分野の「アプローチ」の使い方
- ゴルフの上達にはアプローチとパターが大切だそうだ。
- ハードル競技は、アプローチでどれだけ加速できるかが鍵だ。
- アプローチショットが風に流されてアウトになってしまった。
航空分野におけるアプローチ
航空分野において、アプローチは「飛行機が滑走路に対して着陸態勢をとること」、あるいは「軍用機が地上の目標物に対して攻撃態勢に入ること」を指しています。
航空分野の「アプローチ」の使い方
- 飛行中にメカニカルなトラブルがあったが、無事にアプローチまで漕ぎ着けた。
- アプローチに入る前に攻撃中止命令が出た。