「スクープ」とは?意味や使い方をご紹介

「スクープ」は、日本に定着した英語由来のカタカナ言葉で、特ダネを意味します。メディアでは昔からスクープ合戦が繰り広げられていますが、「スクープ」には、まったく異なる意味もあるのです。今回は、その二つの意味と使い方とともに、歴史的なスクープ報道も紹介します。

目次

  1. 「スクープ」の意味
  2. 特ダネとしての「スクープ」
  3. すくいとる「スクープ」
  4. 歴史的な「スクープ」
  5. 「スクープ」まとめ

「スクープ」の意味

「スクープ」は、英語の”scoop"がカタカナ語として定着した言葉です。最も頻繁に耳にするのは、「特ダネ」という意味の「スクープ」ではないでしょうか。

テレビ、新聞、週刊誌などの記者たちは、この特ダネをつかむことに記者生命をかけていると言っても過言ではないでしょう。

しかし、「スクープ」には、「すくいとる」「すくいとったもの」という、まったく分野の違う意味もあります。それぞれの項目にわけて、「スクープ」を詳しく紹介いたしましょう。

特ダネとしての「スクープ」

特ダネは、「新聞・放送・雑誌などのメディアにおいて、他社が把握していない特級のニュースを、先んじて独占的に報道すること。また、その記事や報道のこと」を意味します。

報道の素材を、俗語としてタネ、ネタ、と称することから、「特級のタネ」→「特ダネ」となりました。ちなみに、他紙・他社にスクープをとられるケースは、<特オチ・抜かれる>と称されます。

使い方

  • 最近は、芸能人のスキャンダルや結婚を狙ってのスクープ合戦が盛んだけれど、政治家の不正を暴くようなスクープにこそ、時間を使ってほしいね。
  • 世紀のスクープ、と称されるものは、記者の地道な調査と努力の賜物だよ。

すくいとる「スクープ」

「すくいとる」というもうひとつの意味の「スクープ」が日本で使われだしたのは、比較的最近のことです。アイスクリーム好き、もしくは料理好きの人でなければ、耳にしたことがないかもしれません。

アイスクリームやマッシュポテトなどの柔らかな食べ物を丸い形にすくいとる器具を「スクープ」と称します。柄のついた半球状の小さな器具で、「ディッシャー」ともいいます。

アイスクリームショップに、「1スクープ300円」「2スクープ500円」などと書かれているものは、アイスクリームの「スクープ1すくい」「スクープ2すくい」の値段表示です。

使い方

  • スプーンでは不便だったので、ついにスクープを購入した。
  • ダイエット中なんだけど、バニラアイスも抹茶アイスも食べたいから、2スクープにしちゃうわ。

歴史的な「スクープ」

さまざまな分野で、「スクープ」は世間を騒然とさせ、その報道や記事の対象となった人物・物事のその後の流れを変えてきました。

わけても、国そのものや広く国民に影響を与える「スクープ」は、政治の分野におけるものではないでしょうか。下記に、時の政権を揺るがせた日米の歴史的「スクープ」を紹介します。

ロッキード事件

1976年2月5日、朝刊にて「ロッキード事件」の第一報をもたらしたのは、朝日新聞でした。アメリカの航空機メーカー、ロッキード社の旅客機受注をめぐる不正・汚職問題を、日本のメディアとしていち早く報道したのです。

この「ロッキード事件」は、日米政財界をまきこみ、元首相田中角栄、全日空、丸紅の幹部をはじめ複数人の逮捕につながりました。また1977年度の日本新聞協会賞を受賞しています。

ウォーターゲート事件

ウォーターゲート事件とは、1972年、ニクソン大統領(共和党)の大統領選のさなか、野党の民主党本部があるウォーターゲート・ビルの中に盗聴器が仕掛けられたことを発端とする事件です。

報じたのはワシントン・ポスト紙で、1972年6月20日付の朝刊にこの記事が掲載されました。長期にわたるワシントン・ポストの取材と追及により、やがてニクソン政権内部による指令と発覚。アメリカ合衆国史上初の大統領辞任に繋がりました。

「スクープ」まとめ

「スクープ」は、実は、昔から馴染み深いある必需品の名に関係があります。それは、「スコップ」。すくうという意味のスクープが転じた言葉です。報道も、土も、なにごとも丁寧にすくうことの意味は大きいですね。


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