「目処」の意味
「目処」は、「めど」と読みます。「めざすところ」「めあて」という意味です。「目処がつく」「目処が立つ」「目処が立たない」などと使われることが多い言葉です。
「目処」の漢字表記とちがい
「めど」には二つの漢字表記があります。
- 目処:一般的に使用される表記。和語で、「物事の見通し」のニュアンスが強い。
- 目途:元々の読み方は「もくと」。和製漢語で、「目標」のニュアンスが強い。
「目処」という言葉(和語)が先にあり、それをもとにして作られたのが「目途」です。「目途」はいわゆる和製漢語(日本人によって作られた漢語)で、「途」は当て字のようです。
「目処」が一般的に使用される表記であるのに対し、「目途」は公的な文書で使用されることが多い表記です。また、新聞では「めど」とひらがなで表記する決まりになっています。
「目処」の使い方
「目処」を使った表現には「目処が立つ」「目途をつける」「目処がつく」などがあり、いずれも「見込みがつく」という意味で用いられます。
【例文】
- では、明日14:00を目処に出荷の手続きをいたします。
- 工期が遅れ、新社屋完成の目処が立たない。
- 容疑者が特定され、事件解決の目処がついた。
「目処」の語源
「めど」という言葉は、植物の「メドハギ」が語源と考えられています。昔は易占いで使う細い竹製の棒にメドハギが使われており、この棒を「メド」や「メドギ」と呼んでいたことから、「メド」は「占い」の意味でも用いられていました。
占いは将来の指針となるところから、「目当て」や「目標」の意味になったといわれています。ただ、逆に「メドハギ」の語源が「めど(目処)」である可能性も考えられるため、特定は難しいとされています。
その他、めどの語源には、針の糸を通す穴「めど(針孔)」を狙うところからといった説もあります。
「目処」を意味する英語
「目処」を意味する英単語
「目処」は英語ではどのような表現になるのでしょうか。和英辞典では次のようになっています。
- an aim(ねらい・目標・目的・意図)
- (a) prospect(見込み・見通し)
- an outlook(見通し・予想)
- (a) possibility(可能性・将来性・見込み)
「目処」に関する英語表現
「目処」に関する英語表現は、和英辞典によると次のようなものがあります。
- 今月末を目処にする=shoot for the end of this month
- 目処がつく=be at last in sight
- 目処が立つ=see the light at the end of the tunnel
「目処が立つ(⇔目処が立たない)」にはほかに、「be in sight(⇔not be in sight)」「have a clear idea(⇔have no clear idea)」という表現もあります。
また、「see the light at the end of the tunnel」は直訳すると「トンネルの終わりに光を見る」という意味です。「やっとのことで」というニュアンスを出したい時に使うといいようです。
例:It's been a hard few months,but we are finally beginning to see the light at the end of the tunnel.(大変な数か月だったが、ついに完成の目処が立った)
英語表現のまとめ
このように、一口に「目処」と言っても、英語にすると様々な表現ができるため、「目処の英語表現はこれ」と決めることはできません。
上記の表現をいくつか覚えておき、まずは日本語で「見込み・見通し」「目標・目的」「終わりが見えたとき」など、具体的な言葉に言い換えてから英語に変換すると、より細かいニュアンスを表現できるでしょう。