「折檻」とは?意味や使い方をご紹介

「折檻(せっかん)」という言葉の、本来の意味を理解している人はどれくらいいるのでしょう。「折檻」はもともと、暴力性とは無縁の言葉だったのです。本記事では「折檻」の意味や使い方、言葉の成り立ちや類語などを詳しく解説します。

目次

  1. 「折檻」の意味
  2. 「折檻」の使い方
  3. 「折檻」の語源①
  4. 「折檻」の語源②
  5. 「折檻」の類語

「折檻」の意味

みなさんも「折檻(せっかん)」という言葉を、一度は耳にしたことがあると思います。では「折檻」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?親が子どもに行き過ぎた躾(しつけ)をするイメージでしょうか。それとも教師が生徒に体罰を与えるイメージですか?

実は折檻の本来の意味は「きびしく意見すること」です。それも、目下の人間が目上の人間に意見する、つまり「きびしく諫言(かんげん)すること」なのです。

しかし時代とともに本来の意味が徐々に変遷し、現代では「責めさいなむこと」、ひいては「強者が弱者を懲らしめること」といった意味で使用されることが一般的となっています。ただし「折檻諫言」という四字熟語の場合は本来の意味で使用されます。

「折檻」の使い方

先述のとおり、現在における「折檻」の意味は、本来のものからかけ離れています。ですから本来の意味で使用しても、相手には伝わりづらいでしょう。目上目下に関係なく「きびしく意見する」という使い方なら、どうにか通じるかもしれません。

例えば「水増し請求など絶対に許されないことだ。私は同僚を折檻することにした」などですね。しかしやはり「折檻」の持つイメージゆえか、どうしても違和感を覚えてしまいます。同僚も「今からキミに折檻する!」なんて言われたら、震え上がることでしょうね。

一般的となっている意味の方で例文を挙げるなら、「子供の頃に折檻された記憶が甦る」「一週間アルコール禁止だなんて、私には折檻としか思えない」といったところでしょうか。

「折檻」の語源①

ところで「折檻」が「きびしく諫言する」という意味で使用されたのは、「折檻」という言葉の成り立ちに由来しています。元となったのは中国前漢の時代の逸話です。その頃中国では、外戚(がいせき)と呼ばれる皇后・皇太后の親族の専横により、政治が乱れていました。当然天子(皇帝)の耳にも、これを問題視する声が聞こえてきます。

そこで天子は、丞相(じょうしょう)の張禹(ちょうう)に意見を求めました。張禹はかつて天子に論語を教えた人物で、寵愛(ちょうあい)されていたのです。権力者である外戚に恨まれることを嫌がった張禹は外戚を庇い、それを鵜呑みにした天子は外戚の振る舞いを疑わなくなりました。

この状況を看過できずに立ち上がったのが、朱雲(しゅうん)という人物です。天子に謁見した朱雲は「張禹は佞臣(ねいしん・主君に媚びへつらう家臣)だ!」とはっきり主張したので、天子はこれに激怒しました。

「折檻」の語源②

連行されそうになった朱雲は、意地でも動くまいと檻(てすり)につかまり、尚も諫言を続けました。「私は死んでも構わないが、この王朝はどうなるのですか!」御史(ぎょし)たちはなんとか朱雲を引き剥がそうとしますが、もともと朱雲は体格がよく力も強かったので、ついに檻が折れてしまいました。

これを見ていた左将軍の辛慶忌(しんけいき)は、朱雲を死罪にしないよう天子に忠言します。国を憂い命を賭して諫言を続けた姿に、胸を打たれたからです。さすがの天子も怒りを収め、朱雲の高潔の証として、檻は折れたことがわかるように修復させました。

これが「折檻」の語源です。「檻(おり)が壊れるほどひどい仕打ち」ではなく「意志の強さゆえに折れた手すり」が、折檻という言葉の元となったんですね。

「折檻」の類語

「折檻」は本来の意味でなら「諫言」や「忠言」が類語として挙がります。しかし「責めさいなむ」という意味においては、以下のような語句が類語として挙げられます。

叱咤(しった・怒気をあらわして大声で叱ること)、叱責(しっせき・叱り責めること)、体罰(身体に直接苦痛を与える罰)、仕置き(見せしめのために懲らしめること)。これらの共通点は、相手に何らかの過失があるとしてなされる行為だということです。

また虐待(むごく取り扱うこと。残酷な待遇)、打擲(ちょうちゃく・拳や棒などで打ち叩くこと)、苛虐(いじめ苦しめること。むごく扱うこと)なども類語として挙げられるでしょう。


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