「人柱」とは?意味や使い方をご紹介

「人柱」は「ひとばしら」あるいは「じんちゅう」と読みます。どちらも生け贄という意味は変わりません。情報社会になっても、迷信を信じていた頃も、誰かが犠牲になるのはいつも同じのようですね。「人柱」の意味や使い方などを紹介します。

目次

  1. 人柱の意味
  2. 人柱の数え方
  3. 人柱の使い方
  4. 人柱ビリティ
  5. 人身御供と人柱

人柱の意味

元の意味

「人柱(ひとばしら)」とは犠牲になった人のことです。元々は、土木工事で、わざと生き埋めにされた人や事故死した人のことを指す言葉でした。

わざと人を生き埋めにした理由は、建物の耐久度を高めるためです。人間の魂は死後、からだと分離し、木や建物に宿ると考えられていました。人の魂が宿ったといわれる建築物は長持ちするという言い伝えから、「人柱」が行われるようになったといわれています。

ここから転じて、何かの目的のために犠牲になった人のことを「人柱」と呼ぶようになりました。みんなのために犠牲にされる人です。本人の意思とは関係なく、むりやり生け贄にされた人です。なお、日本においては、人柱にまつわる伝説などもありますが、実際に行われたかどうかは定かではありません。

ネットスラングでの意味

ネットスラングで「人柱(じんちゅう)」と読みます。上記の「人柱」の誤読から始まった使われ方です。こちらは、不具合の危険性やリスクがあるにもかかわらず新製品を購入しようとする人を指します。リリースしたばかりのサービスには何かとトラブルがつきものですので、品質向上のために犠牲になってもらうというわけです。

また、誰もがやりたがらない仕事をさせられる人も「人柱」と呼びます。「ひとばしら」と読む時と同じような意味ですが、「ひとばしら」の残酷な印象を和らげるためにあえてこちらが使われます。

人柱の数え方

数える時には神様と同じく「柱(はしら)」という単位を使うといわれています。死後の霊魂は人間というよりも神様に近い存在と認識されていたことに由来します。さらには、元々神様は柱などの木に宿っていると考えられたことに由来します。

人柱の使い方

ひとばしら

  • 洪水に悩まされた地域には何かしらの人柱伝説が残っているものだ。
  • 危険な仕事だからといって、人柱を立てるわけにもいくまい。
  • 誰かがしなければならない。誰かに人柱になってもらうか。

「ひとばしら」と読む場合は直接的に工事の犠牲者か、比喩的に生け贄になった人のどちらかの意味で使われます。一つ目の例文は工事の犠牲者ですね。二つ目以降は貧乏くじを引かされた人、ですね。

じんちゅう

  • どんな不具合があるかもわからないのに新しいOS導入するなんて、人柱としか思えない。
  • 深夜に誰か出てもらう必要があるんだよね。今度は誰に人柱になってもらおうか。
  • この会社に入ってから何回も人柱になっている。そろそろ回避したい。

一つ目の例文はもちろん、リスクのある新製品を導入する人です。二つ目以降はやりたがらないことをさせられる役目という意味ですね。この場合は「ひとばしら」の読み方でももちろんOKです。

人柱ビリティ

性格や年齢、その他社会的立場で厄介な仕事を押し付けられる人っていますよね。まさに「人柱」に選ばれやすい人。この「人柱」に選ばれる可能性という意味で使われているネットスラングがあります。それが「人柱ビリティ(じんちゅうびりてぃ)」です。よく「人柱」にされる人を「人柱ビリティが高い」と表現します。

人身御供と人柱

「人身御供(ひとみごくう)」とは神様にささげられた人間のことです。ここから転じて、集団や団体のために犠牲になった人のことも指します。

「人柱」と同じような意味ですが、全く同じではありません。「人柱」は日本で土木工事の際に、水中や土中に人を埋めることです。一方、「人身御供」は神に人をささげること全般です。海外でも、どんな方法でも含めます。「人身御供」の一種が「人柱」ということになりますね。


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