「非凡」の読み方
まず「非凡」は、「ひぼん」と読みます。どちらの漢字も常用の訓読みはないのですが、表外で「非」には「あら(ず)」、「凡」には「なみ」などの読み方があります。
「非凡」の意味
「非凡」とは、平凡ではないこと、普通よりも特に優れていることや、その様子を表します。この言葉は上述の表外読みを踏まえると、「凡に非ず=普通ではない」と解釈できます。
それぞれの字について、「非」には、そのことではないなどの意味があります。一方の「凡」は普通の他にも、ありふれていることや全体などの意味を持っています。
「非凡」の使い方
「非凡」は「非凡な~」や「非凡の~」、「〇〇は非凡だ」のように使われ、形容動詞に分類されます。
例文①
【例:彼は数学において、非凡の才能を持っている】
これは「優れた才能」や、「普通ではない才能」と言い換えられます。たとえば誰も解いたことのない数式を解いたり、そういう凄い感じです。この例文の場合、才能の部分は、力や頭脳と言い換えることも出来ます。
例文②
【例:良くも悪くも、彼女の考え方は非凡だ】
こちらも「考え方は優れている」と言い換えられなくもないのですが、「良くも悪くも~」という表現から続くと、どちらかと言えば平凡ではないといったニュアンスが強めに伝わるかと思います。このように文章によって、ほんの少しニュアンスが違ってきます。
「非凡」に関連する言葉
「非凡」に関連する言葉には、「超凡(ちょうぼん)」、「異端(いたん)」、「希有(けう)」などがあります。
「超凡」について
「超凡」とは、普通よりも遥かに優れていることや、その様子、非凡なことを表します。ちなみに「超」の字には、他と掛け離れて優れる、限度を過ぎるなどの意味があります。
よってこの言葉は、「凡人の枠を超えている、凡人から掛け離れて優れている」と解釈できます。そう考えると、意味は「非凡」と似ていますが、少しニュアンスが違っていますね。
「異端」について
「異端」とは、正統から外れていることを表します。また宗教に関わる意味もありますが、本題から逸れてしまうので、ここでは省きます。
正統から外れていることは、普通ではないことに繋がりますね。そういった部分が、「非凡」と似ています。たとえば「非凡な才能」は、「異端な才能」と言い換えられます。
「希有」について
「希有(けう)」とは、滅多にないことや、不思議なことを表します。またこの言葉は「きゆう」とも読まれますが、意味は同じです。
「希有」の意味も普通ではないことに繋がりますが、「非凡」と比べて、「希有」は珍しいニュアンスが強めです。使い方に関しては、「希有な出来事」や「希有な技術」のように用いられます。
「非凡」の対義語
「非凡」の対義語としては、「平凡(へいぼん)」や「凡庸(ぼんよう)」が挙げられます。
「平凡」について
「平凡」とは、これといって優れた特色もなく、ごく当たり前なことや、その様子を表します。普通ではない「非凡」に対して、「平凡」は普通なことを意味しています。
ちなみに「平」の字には、普通や並みなどの意味があります。つまり「平凡」は似た意味の字を組み合わせることで、普通なことを強調しているわけですね。使い方に関しては、「平凡な作品」や「彼は平凡な人間だ」のように用いられます。
「凡庸」について
「凡庸」とは、平凡で取柄のないことや、そういう人、その様子を表します。「平凡」とはほぼ同じ意味ですね。ちなみに「庸」の字は、つまらない、並みなどの意味を持っています。
使い方に関しても「平凡」と似たような感じで、「凡庸な人物」や「この作品は凡庸だ」のように用いられます。