「席巻」の意味
「席巻」は「せっけん」と読み、非常な勢いで領土を攻めとること、片端から攻め落としていくことという意味があります。また、「席捲」という漢字もあり、「席巻」と読み方、意味、使い方は同じです。
文字の意味としては「席」は「セキ」「むしろ」とも読み、人がすわる場所、座席、人が集まって会や式をする場所、わらや竹などで編んだ敷物を意味します。「巻」は「カン」「まく」「まき」と読み、ぐるぐるとまるめる、ねじってまわす、まるい形になるような動きをする、あるもののまわりを他のものでとりまくようにするという意味を持っています。
「席巻」の由来
「席巻」は、中国前漢の史書「戦国策」に用いられた比喩表現で、戦争でむしろを巻き取るように自分の領土を拡大していくということに由来しています。戦争を起こした人間にとっては理想的な状況だと言えます。「戦国策」は前漢の劉向の撰になり、戦国時代の遊説の士の言説、国策、
「席巻」の類語
ここでは「席巻」の類語を紹介していきます。
- 「旋風を巻き起こす(せんぷうをまきおこす)」社会に多大な影響を与える事件が起きることという意味で「旋風」とは激しくうずまき状に吹きおこる風、つむじ風という意味があります。
- 「脚光を浴びる(きゃっこうをあびる)」世間の注目の的になり、もてはやされることという意味で、「脚光」とは俳優や歌手を足元から照らす、舞台の前方の床の照明の光線のことです。
- 「耳目を集める(じもくをあつめる)」人々の注意や、注目を集めること「世間の耳目を集める」というように表現したりもします。「耳目」とは漢字の通り耳と目を意味します。
どの類語も人々に大きな影響を与えるような表現のものとなっていますね。
他にも漢字や読み方が似ている「圧巻(あっかん)」という言葉がありますが、「圧巻」には書物や作品の中でもっともすぐれた部分という意味があります。転じて全体の中で、もっともすぐれている部分という意味に使われる言葉で、字や読み方は似ていますが「席巻」とは異なる意味を持っています。
「席巻」の使い方
ここでは「席巻」の使い方や例文を紹介します。昔は、場所や領土を拡大するときに使われていましたが、近代では目に見えないものにも使われています。基本的には「席巻する」「席巻している」「席巻される」というような使い方で、様々な場面に使われています。それでは例文を紹介します。
- 尾張の戦国武将の軍勢が、日本を席捲した。
- 画期的な製品で、市場を席捲する。
- 文明が発達し、携帯電話が世界を席捲した。
- ある歌手は迫力のある歌声で、当時の音楽業界を席巻していた。
というように幅広く使うことができます。ビジネスシーン等でもよく使われているのを目にするのではないでしょうか。
「席巻」のまとめ
「席巻」の意味や使い方、由来を紹介してきましたが、ご参考になりましたでしょうか。何かの活動を行っている方、販売や開発をされている方、多くの方にとって、世間や業界を席捲するということは、目標となるのではないでしょうか。幅広く使える「席巻」という言葉ですが意味を理解し、正しく使いこなしていきましょう。