「動向」とは?意味や使い方をご紹介

「動向」という言葉があります。刑事ドラマなどではよく「犯人の動向を探る」のような形で使われていて、何となく知っている方は多いかと思います。ここではそんな「動向」の意味や使い方などを、関連する言葉も含めて、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「動向」の読み方
  2. 「動向」の意味
  3. 「動向」の使い方
  4. 「動向」に関連する言葉

「動向」の読み方

まず「動向」は、「どうこう」と読みます。訓読みで「動」は「うご(く)」、「向」は「む(かう)」と読む字です。どちらも小学校では、三年生あたりで習います。

「動向」の意味

「動向」には細かく分け、以下の二つの意味があります。

  1. 人やモノなどの動き
  2. 事態の動いていく方向、社会や組織などの傾向や、これからの成り行き

どちらの意味も訓読みを踏まえて、「それが動く先、向かうところ」のように解釈できます。それぞれの字について、「動」は動くことの他にも、人の振る舞いなどの意味を持っています。一方の「向」には、向くや向かう、対するなどの意味があります。

「動向」の使い方

「動向」は名詞に分類され、「動向を~」や「動向に~」などのように使われます。

動向:人やモノの動き

【例:同級生だった彼の、卒業後の動向を探る】

これは「卒業してから何をしていたのか、今は何をしているのかを探る」というような意味です。ここでの「動向」における動きとは、たとえばその人が就いた仕事や、どんな人間関係を築いたかなど、幅広いことを示します。

また住んでいる場所を探すという意味でしたら、「卒業後の行方を探る」と言い換えられます。他には就職先という意味で、「卒業後の進路を探る」とも言い換えられます。

似たような使い方としては、「退職後の動向を知る」や「彼女の動向が怪しい」などの表現があります。

動向:事態の動いていく方向

【例:経済の動向を見守る】

これは「経済が今後、どう動いていくのかを見守る」という意味です。「これからの成り行きを見守る」や、「今後の傾向を見守る」と言い換えられます。

一つ目の例文と同じく、対象の動きを指していますが、比べると少しニュアンスが違っていますね。似たような使い方としては、「組織の動向が危うい」や「景気の動向を調べる」などの表現があります。

「動向」に関連する言葉

「動向」に関連する言葉には、「推移」、「趣向」、「潮流」、「風潮」、「世運」などがあります。

「推移」について

「推移(すいい)」には、以下の二つの意味があります。

  1. 時間が経つにつれて状態が変化していくこと、移り変わっていくこと
  2. 時間が経過すること

中でも1の意味が、「動向」と似ています。たとえば「人口増減の動向を調べる」でしたら、「人口の推移を調べる」と言い換えられます。「推移」には移り変わることが含まれているので、増減という部分を省いて、短く伝えられます。

「趣向」について

「趣向(しゅこう)」には幾つかの意味がありますが、中でも意向やおもむきという点は、「動向」に通じるところがあります。

たとえば少し限定的ですが、いつもと考え方や行動が違うという意味で、「彼にしては妙な動向だ」は、「彼にしては妙な趣向だ」と言い換えられる場合があります。

他には「普段とは趣向が異なるパーティー」や、「彼女の趣向に沿っている」などの表現があります。

「潮流」について

「潮流(ちょうりゅう)」には、以下の二つの意味があります。

  1. 潮の流れや、海水の流れのこと
  2. 時世の動きや世間の成り行き、物事の傾向のこと

中でも2の意味が、「動向」と似ていますね。たとえば「時代の動向を見極める」は、「時代の潮流を見極める」と言い換えられます。「動向」が動きを表すことに対して、「潮流」は流れを表すわけです。

「風潮」について

「風潮(ふうちょう)」には、以下の二つの意味があります。

  1. 風によって生じる潮の流れ
  2. 時代と共に変わる、世間の傾向

この言葉はそのときの流行りのようなニュアンスを含んでいて、「世の中の風潮」や「現代の風潮」のように使われます。

「世運」について

「世運(せいうん)」とは、世の中の気運や、世の中の成り行きのことです。またこの言葉は「せうん」とも読まれますが、意味は同じです。

ちなみに気運とは、その方向を取ろうとする傾向などを表します。たとえば「世の中の動向」は、そのまま「世運」と言い換えられます。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ