「仕種」とは?意味や使い方をご紹介

「仕種(しぐさ)」とは何気ない動作や態度のことです。「仕草」とも書きます。どちらにせよ読み方が難しいですね。けれど単なる当て字ではなく、ちゃんとした意味があります。今回はあまり知られていない「仕種」の意味や使い方、類義語などをご紹介します。

目次

  1. 仕種とは?
  2. 「仕種」か「仕草」か
  3. 仕種の語源
  4. 「仕種」の使い方と例文
  5. 仕種の類義語

仕種とは?

「仕種(しぐさ)」とは何かする時にみられるちょっとした動作や振る舞いのことです。身振り手振りが多いですが、表情や顔の動きも入ります。英語でいう「gesture(ジェスチャー)」の方が分かりやすいかもしれませんね。

落語やお芝居などでは、「仕種」は言葉を使わないコミュニケーションと説明されることもあります。いわゆるボディランゲージ。パントマイムも入るのでしょう。コスプレなどのポーズもそうですね。

日常では特にコミュニケーション目的ではない、何気ない動作を指すことが多いです。例を挙げるなら、お茶を入れる時の自然で無駄のない手つきや、優雅なお辞儀の仕方などでしょうか。

「仕種」か「仕草」か

「仕種」は「仕草」と書くこともあります。どちらも意味や使い方は同じですので、好みで使い分けても大丈夫です。

そのまま音読みできる「仕草」の方が読みやすいのですが、「仕種」の方がよく使うという方が多いようです。落語の仕種落ちも「仕種」が一般的なようです。

仕種の語源

「仕」には仕官や奉仕のように誰かに仕えるという意味があります。また、動詞の「する」の活用形「し」の当て字にも使われます。仕事や仕業が代表的ですね。「仕種」はこちらのグループとなるようです。

「種」や「草」の意味も2つあります。1つ目は物事の原因や始まり、材料です。語り種のように使います。もう1つは仲間や種類という意味です。

「仕種」はこの「仕」と「種」を組み合わせた漢字です。その意味は、動作の材料や動きを構成する一要素、あるいは動作の種類といえるのではないでしょうか。正確な由来は判明していないので、想像の余地が広がりますね。

「仕種」の使い方と例文

使い方

「仕種」は何かしようとする時にみられる、その人特有の動作や態度を表す言葉です。ある意味で癖(くせ)ともいえます。そのため、その時一回きりしか見られない動きや誰にでも見られる動作には使いません。

また、比較的細かな動作や態度を「仕種」と呼び、大きな動きを「振り」や「所作」などで表します。髪をかき上げたり、メガネを挙げる程度であれば「仕種」ですが、殴りつけたり飛び下りたりといった大がかりな動きは「仕種」とは呼びません。

近年では「仕種」は好ましいことに対して多く使われるようです。しかし、本来は怪しいことや不快なことにも使える言葉です。

例文

  • 待ち合わせ場所で小走りに駆けよってくる。彼女のそんな仕種がとても愛おしい。
  • 新聞を読む彼の仕種は父親にとてもよく似ている。
  • 後輩がトロくさい仕種でコピーをとっているのを見るとイライラしてくる。

仕種の類義語

振り

人の態度や動作を表す言葉に「振り(ふり)」があります。「人の振り見て我が振り直せ」という有名なことわざに出てきますね。「仕種」よりも大がかりな動作に使われることが多いようです。

「知らない振りをする」や「見て見ぬ振りをする」のように、自分の本音や事実とは違う態度を表すことにも使われます。

所作

「所作(しょさ)」とは身のこなしや動作を指す言葉です。文章語で、日常会話ではあまり使われません。細かな動作に使われる「仕種」に比べると大きな動きに使われます。

「所作」はお芝居や踊りなどでの振り付けや演技も表す言葉です。この場合は感情や意思を伝えるための動作や態度と呼べるでしょう。


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